先日、紹介した「ポリマ食」の時に「掩蔽(えんぺい)」
表記が正しいと、知りました。
その時に少し参考にさせてもらった文献があるので紹介します。
引用文献:上原貞治氏
では、簡単に「食」と「掩蔽」について説明します。
「食」とは
「月食」を例のあげますと、
3つの天体からなる関係性が必要です。
❶太陽=光源天体
❷地球=光源天体の光を遮り影を作る役目をする天体
自ら光らない天体か、❶より暗い天体でなくてはなりません。
❸月=❷が作った影に入る天体で、自ら光らないという条件が付きます。
この条件のもとに「月食」は起こります。
この現象がいわゆる「食」と呼ばれるものです。
「掩蔽(えんぺい)」とは
「観測者から見て」という条件は付きますが、
「食」のような天体条件は必要ありません。
というのも、観測者の目から見て、
「隠す天体」と「隠される天体」の
関係性だけで成り立つからです。
観測者から近い天体が遠くにある天体を隠すように、
見えるだけなのです。
ですから「日食」は実は太陽が月の背後に隠せれて起こる現象なので、
「掩蔽」による天文現象といえます。
ですが、通り名的に「日食」と表記しているわけです。
月による「掩蔽」
一般的に地球から見ての「掩蔽」の中で、最も観測しやすい天体として、
「月」によるものがあります。
というのも、月が一番地球から近い天体ですし、観測しやすいということも
あります。
なかでも、恒星を隠す場合が一番多いです。これを「星食」といいます。
正式には「月のよる恒星の掩蔽」となるのですが、
暗黙の了解といいますか、通り名で「食」が使われるわけです。
こだわりのある方は正式名称を使わている方もいます。
先日の「ポリマ食」も「ポリマ掩蔽」と表記している方も
いらっしゃいます。
先ほど説明した「日食」も月による掩蔽ですし、
その他では、月が惑星を隠す場合は「惑星食」と呼んでいます。
月以外の「掩蔽」
観測できる条件のレベルが上がりますが、
太陽系の惑星が他の天体を隠す現象でも「掩蔽」は起こります。
惑星の背後に恒星が隠される場合がありますが、滅多に起こりません。
小惑星による掩蔽も起こりますが、観測は困難を極めます。
そのために、アマチュア天文家の間では観測がテーマになるなど
しています。
このように「星食」ファンの方達がいて星食予報ができるソフトなども
あります。
興味のある方は英語版しかないようですが、試してみてください。
まとめ
「食」と「掩蔽」とは異なる現象でしたが、
便宜上の表記が「食」を通り名として使うことが一般的
ということがわかりました。
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