2017年7月9日は満月です。
満月は明るすぎて、星を見るのを邪魔してしまします。
今回は満月を楽しむこととして、
その成り立ちなどを紹介してみましょう。
月はどのようにしてできたか?
月は約45億年前に誕生しました。
その起源には幾つか説があります。
①地球から分離してできたとする「分裂説」
②太陽系の他の場所で誕生して、地球の近くに来た時に重力に引かれて
捕獲されたとする「捕獲説」
③地球とほど同時期に地球の周辺で誕生した「兄弟説」
④火星ほどの大きさの天体が地球に衝突して引きちぎられた破片が、
月になったとする「ジャイアント・インパクト説」
主な説はこの4つです。
①分裂説だと、どう?
「種の起源」のチャールズ・ダーウィンの息子、ジョージ・ダーウィンによって
提唱されました。
地球と月が分離するためには、分裂させるほどの高速で、
回転していなければならないし、そのためには形成するだけの
質量を持った小天体の存在も必要です。
また現在の地球と月の持つ角運動量も、月を分離させるには
2倍も足りません。
②捕獲説なら?
アポロ計画で、持ち帰った「月の石」を分析してみると、
①の「分離説」の説明ができない事態に陥ります。
というのも、地球と月が、太陽からの距離の違う場所で、
それぞれ微惑星(小天体)が集まってできたとすると、
酸素の同位体比が、違ってきます。
ところが、月と地球はこの値がよく似ているため、「捕獲説」では
矛盾が生じます。
③兄弟説だったら?
地球と月のマントルを比べると、月には揮発性元素の「K(カリウム)」
「Rb(ルビジウム)」「Cd(カドミウム)」
「Pb(鉛)」「Tl(タリウム)」「Bi(ビスマス)」が極端に少ないことがわかりました。
このことは月の材料が、高温にさらされたことを示しています。
ほぼ同じ場所でできたとする「兄弟説」ではうまく説明できませんね。
④ジャイアント・インパクト説が本命?
①〜③までの説の欠点を克服するために考えられたのが、
「ジャイアント・インパクト説」です。
1946年に一度ハーバード大学の地質学者レジナルド・A・デーリー氏が、
一度、天体衝突説として提唱しましたが受け入れられませんでした、
その後1975年にアリゾナ大学のハートマン教授らによって再度提唱され、
今では、広く受け入れられています。
まとめ
地球が46億年前に形成されてから間もなく、
火星とほぼ同じ大きさ(直径が地球の約半分)の原始惑星が斜めに衝突したと、
考えられています。
一番近い天体でも、いろいろわかるのは、つい最近のことなのですね。
ですが、これも、現在の一番の有力説ということを、
覚えておかなければなりませんね。
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