🌟「かに星雲-M1 -NGC1952」は「おうし座」にある特徴のある天体です。
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どこにあるの?
🌟所属星座は「おうし座」の領域にありますが、「ぎょしゃ座」や「オリオン
座」の境界付近になる場所でもあります。
まずは周りの星座などと「おうし座」の位置を確認しましょう。
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(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟「おうし座」のおうしの角の先、「ぎょしゃ座」との境界近くにあります。
ここは「オリオン座」や「ふたご座」との境界も近く、冬の星空のまさに中心部に
位置しています。
また、メシエ天体の1番目の天体としても、何かとこの超新星残骸のかに星雲画像
はよく見かけますね。
冬の夜空は賑やかで、目印にできそうな星がたくさんありますね。「おうし座」の
1等星アルデバランから角の先のζ星を探すのが、一番の近道です。M1は「おうし
座」のζ星のすぐ隣にあります。
あとは「オリオン座」の1等星ベテルギウスと「ぎょしゃ座」の1等星カペラを
結んだ線の真ん中ほどに「おうし座」のζ星があります。「オリオン座」のベテル
ギウスは冬の大三角、「ぎょしゃ座」のカペラは冬のダイヤモンドとして、目立つ
ほど、冬の夜空で輝いているので、すぐに見つかるでしょう。
さらには、「おうし座」の肉眼で見える雄牛の肩のところのある「プレアデス星
団」と、「ふたご座」の1等星ポルックスを結んだ線の中ほどに、「おうし座」の
ζ星があるので、そちらからも探すことはできますね。
(C)NASA/かに星雲-M1
その特徴は?
🌟1054年に、中国とアラビアの天文学者が、「おうし座」に突然新しい星が現れ
たと記録しています。この新しい天体が超新星爆発で、あまりにも明るいために、
昼間でも23日間見え続けたと観測されています。
日本では、鎌倉時代に活躍した歌人藤原定家が、書き綴った日記「明月記」に、
天関星(おうし座ζ星)の近くに客星(見慣れない星)が現れ、歳星 (木星)と同じくらい
の明るさで輝いたと記されています。
この時の爆発から、超新星残骸として現在、観測されているのが「かに星雲」の
M1です。地球からの距離は6500~7000光年離れていて、残骸の雲は11光年の
広がりを見せています。
これは今でも、時速540万kmで広がり続けています。
🌟「かに星雲」という名前は、アイルランドのビアの領主のロス卿が、当時世界
最大の望遠鏡口径72cmで観測スケッチをしていて、その姿が「かに」に似ていた
ことからついた、とされています。
🌟メシエ天体の1番目ということは、初めに見つけられたということでしょうか、
実は、メシエがカタログを作ろうと決めたのが、この「M1」を見つけのがきっか
けなのです。
シャルル・メシエが、1758年9月12日に彗星の観測のために、「おうし座」のζ星
付近を観測していて彗星によく似た星雲があると発見した天体です。
メシエカタログがだんだん増えていったのは、他にも彗星と区別するべき天体が
あるのではないかと、さらに彗星に似た天体も観測対象としたということです。
🌟下の画像は、チャンドラX線天文衛星の詳細な画像から、中央のパルサーを同心円
状の衝撃波が取り巻いている様子や、物質と反物質のジェットの噴出が確認できま
す。
またこのパルサーが同心円状になるということは、周期的に高速の放射が予測さ
れ、その様子はさながら宇宙の灯台のように、点滅するように発されています。
(C)NASA/かに星雲-M1
基本情報
基本情報
かに星雲 | |
番号 | M1-NGC1952 |
赤経 | 05h34.5m |
赤緯 | +22°01′ |
等級 | 8.5等 |
距離 | 7200光年 |
星座 | おうし座 |
種類 | 超新星残骸 |
まとめ
🌟「かに星雲-M1-NGC1952 」について紹介しました。
メシエカタログの1番目の星雲で、超新星残骸の中でも、最も明るい星雲です。
爆発が起きたのは鎌倉時代で、その名残が今でも見えるなんて、星の時間は膨大
ですね。
機会があれば、大きな望遠鏡のある施設で探して見てください。
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