星コラム「水星について」

星コラム




 

 

2017年7月25日に「水星食」があります。

天体ショーを見てみよう「水星食」
「水星食」というのは月の陰に水星が入ってしまって、見えない時間があるという現象です。 今回は2017年7月25日の日の入り頃に、南西諸島の一部ではみられませんが、日本全国で天候条件によりますが、観測できます。

 

 

 

 

その前に水星のことをおさらいしましょう。

 

水星の大きさは?

 

大きさは、赤道半径が2440キロメートル、直径は4880キロメートル、

月よりも少し大きいくらいでです。

地球のおよそ5分の2ほどの大きさです。

 

水星の質量は?

 

質量は地球=1として0.005527倍、

重さは地球の18分の1です。

平均密度は5.43g/㎤

 

水星の周期は?

 

公転周期は87.969日

自転周期は58.65日

公転周期と自転周期の比が3:2となっています。

 

太陽からの距離は?

 

太陽からの距離は0.38天文単位(約5790万キロメートル)、

ですが、やや歪んだ楕円軌道を持っているので、

太陽からの距離は4500万キロメートルから7000万キロメートルと

変化します。

 

地球から見ると、太陽のそばを離れることがないので、

日没後の西の空か、日の出前の東の空の低い位置でしか見ることが

できません。

 

水星の温度は?

 

太陽に一番近いだけあって、地球の7倍もの太陽の強烈な熱や光を受けています。

その表面温度は摂氏400度と高いのですが、

 

水星の自転周期はとてもゆっくりしていて、太陽の方を向いてない側は

熱がほとんど失われてしまうので、水星にとっての夜明け前には、

摂氏マイナス160度にまで下がってしまいます。

 

 

水星探査機「メッセンジャー」が撮影した水星 (c)NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington

 

水星の特徴 外側

 

ほとんど大気のない表面で無数のクレーターに覆われています。

 

アメリカの惑星探査機「マリナー10号」による70年代の探査により、

水星の表面の地形が大小、無数のクレーターで覆われていることが、

判明しました。

 

月の山岳地帯と同様に、古いクレーター残っていることから、

地質活動は初期の段階ですでに終了して、月の海のような

溶岩流出は起こっていないと考えられます。

 

無数の皺のような地形(リンクルリッジ)も水星が形成後の冷えていく過程で、

全体が収縮した時に生まれたと思われています。

 

直径1300キロメートルにも及ぶ巨大なクレーター「カロリス盆地」は

水星の直径の4分の1以上にもなります。

 

このクレーターは太陽系最大のクレーターとも言われる、

月の「オリエンタル盆地」にも匹敵する大きさで、

何重にも同心円上に重なるクレーターリム(縁)が確認されています。

 

地形の名前には、音楽家や画家、小説家など、芸術家の名前が

付けられています。

 

Image credit: NASA/JPL Photomosaic of Mercury – Outbound View

見えにくいですが、左側の真ん中あたりが「カロリス盆地」です。

 

1975年、水星に最接近したマリナー10号は、太陽光が当たっている側

の地形撮影に成功しています。

 

最近では水星探査機「メッセンジャー」などが観測しています。

 

 

水星の特徴 内部

 

強い磁場が残っており、巨大な核も持っています。

 

その密度は太陽系の惑星の中で、地球に次いで高いとされ、

直径の3分の2〜4分の3もの巨大な核があると考えられています。

 

その核は急速に冷えて内部は個体であるとされていましたが、

マリナー10号の観測によって、微弱ながら水星固有の磁場が発見されて、

その後の観測で液体の核を持つ可能性が出てきました。

 

水星は太陽系で最も小さい惑星です、なぜ、そのような小さい惑星で

核が溶けた状態でいられるのかが大きな謎で、今後の解明が待たれます。

 

 

まとめ

 

「水星食」に合わせて太陽系の惑星の「水星」について

まとめました。

 

地球よりも内側にいるせいで、見る機会が限られていますが、

その輝きは、同じく内惑星の「金星」の「明けの明星」「宵の明星」

とも引けを取らない美しさです。

 

ぜひ、観望してください。

 

良い観望でありますように。。。

 

 

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