「夏の大三角」といえば「はくちょう座」のデネブと
「こと座」のベガ、「わし座」のアルタイルからなる、天の川をまたがって
美しく輝く姿を見ることができます。
天の高い位置に3個の明るい星が目を引きます。
3つの星の中で一番、明るいのが「こと座」のベガです。
小さな平行四辺形の形に星が並んでいるところが
琴の姿として古代ギリシャから親しまれています。
2番目に明るいのが「わし座」のアルタイルです。
アルタイルを挟んで小さな2個の星がほぼ一直線に並ぶのが「わし座」です。
3個の中で一番暗い星が「はくちょう座」のデネブです。
デネブを先頭に、星が大きな十字の形並ぶのが「はくちょう座」です。
明るく輝くベガは地球から25.3光年の距離にある白色の高温星です、
アルタイルとは16光年も実は離れています。
5月下旬の3時頃には「わし座」が正中に見えます。
「はくちょう座」と「こと座」はその後6月上旬の3時頃に正中で見られます
そこから順に8月下旬頃には21時に「わし座」が、
9月上旬頃の21時に「はくちょう座」と「こと座」が正中へとやってきます。
夏の星座と言われるのはこのように夏の間中正中で見頃を迎えているからです。
夏には夏の星座を見つけることも楽しみの一つではありますが、
この夏の大三角のある位置をよく観察していただくと
たくさんの星の集まりが帯のようになっている様子が見えてきます。
夏の間はこの三角形は頭の真上近くに見えますが、
秋が過ぎて冬が近づいてきても西の空に見ることができます。
この時期になると、こと座のベガは両脇のε(イプシロン)星とζ(ゼータ)星で
三角の形にみえます、そのことから
アラビアでは翼をたたんで急降下する鷲の姿に見立てて
アル・ナスル・アル・ワーキ(落ちる鷲)と呼ばれています。
一方、わし座のアルタイルは両脇の2星で直線を描く姿で
翼を広げて飛ぶ鷲に見立てて、
アル・ナスル・アル・タイル(飛ぶ鷲)と呼ばれているのです。
アラビアではこと座も鷲に見立てていますが
中国や日本のように彦星と織姫としてみると、
十字の形のはくちょう座を相合傘にして沈んでいくようにみえますね。
余談ですが、
今は夏の大三角としての一角をになっている「こと座」のベガですが、
12000年後には北極星と呼ばれることになることはご存知ですか?
2102年に最も真北に近ずいた後は、次第に北極から離れていくのです。
地球の自転軸は、倒れかけのコマのようにみそすり運動をしながら動いています。
そのため、北極の方向も変わってゆくのです。
地球というコマは
その自転軸を約26000年で1周させるので、時代によって北極星も
変わることになります。
どれくらいのズレで変えていくかは時の観測者の
見方次第でしょうか。。。
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