星コラム「星と銀河の進化について」

宇宙誕生




 

 

🌟宇宙が誕生してすぐには星は存在していませんでした。

いきなり宇宙に星たちがあったわけではありません、どのような過程を経て

進化していったのか考えてみましょう。

 

天体が存在しない「暗黒の時代」

 

宇宙誕生から約38万年後、原子が誕生します。

ビッグバンによって、火の玉状態になった宇宙が冷えたことで、それまでは別々に

空間を飛び回っていた陽子と電子が結合して、原子となったのです。

誕生した原子の大部分は水素で、ヘリウムが少し、微量のリチウムなどであったと

考えられています。

 

その後、宇宙は特に大きな変化のない時代が約3億年間続きます。この時代は、

太陽のような恒星や、天体と呼べるようなものは存在していなかったと、

考えられてえいます

 

この時代を「宇宙の暗黒時代」と呼んでいます。

 

この時代の役割は、恒星や銀河などが生まれる環境をゆっくりと、育んだことです

その原動力は「重力」でした。

 

重力は「万有引力」とも呼ばれ、文字通り、「万物が有する引力」ということは、

漂っていたガスにもわずかでも重さがあります。この重さの引力で、ガスの密度が

周囲よりも、高い領域が、低い領域のガスを飲み込むように集めてゆきました。

 

するとさらに重さが増して、さらに重力が増し、さらにガスを集めてゆきます。

このようにして、この時代の宇宙は、ガスの濃淡が少しずつ成長してゆきました。

 

最初の星

 

先ほどの暗黒の時代にガス同士が集まって、次第に大きくなってゆきました。

宇宙誕生から約3億年たった頃には、このガスの集まりが太陽の重さの100分の1

くらいまで成長して来ます。

 

宇宙で天体と呼べる、「星の種(原始星)」だと言えます。

この星の種は1万年から10万年程かけて、周囲から更に、ガスを集めて巨大な

恒星「ファーストスター(第1世代の恒星)」へと成長してゆきます。

 

恒星とは、太陽のように自ら輝く天体のことです。ファーストスターはどれも

非常に巨大な恒星だったと考えられています。重さは太陽の数十倍から100倍も

あり、表面温度は太陽が約6000度に対し、10万度に達していたと、推定されて

います。明るさは太陽の数十万倍〜100万倍だったと考えられています。

 

恒星の色は高温になるほど青白くなるので、ファーストスターは青白く輝いて

いたことでしょう。

 

(C)NASA

 

 

ファーストスターの大爆発

 

ファーストスターの中心部では、核融合反応が起きて、水素の原子核からヘリウム

の原子核が合成されます。中心部で、水素が尽きると、今度はヘリウムの原子核が

核融合反応を起こし、炭素の原子核などが合成されます。

 

このように恒星の内部では、軽い元素の原子核が燃え尽きるたびに、より重い元素

の原子核が核融合反応の燃料として使われるようになり、更に重い原子核が合成さ

れていきます。

 

こまた、恒星の晩年は、恒星縮める方向へ働く重力と膨らませる方向へ働く重力と

のバランスが崩れ始め、恒星の膨張が始まります。ファーストスターの場合は、

半径が元の100倍以上に膨張したと、考えられています。

 

膨張した恒星の中心部に鉄ができると、核融合反応は終了します。鉄は最も安定し

た原子核で、それ以上の核融合が進まないからです。

そして、核融合反応を終えた恒星は「超新星爆発」と呼ばれる大爆発を起こし、

死を迎えます。

 

ファーストスターは、誕生から約300万年後に、超新星爆発を起こすと、考えられ

ています。

この爆発によって、様々な元素が宇宙にばらまかれます。ファーストスターが誕生

する前は、水素とヘリウムのガスしかなかった宇宙に、こうして様々な元素が増え

ていったのです。

 

こうした元素を元にして、第2世代以降の構成が作られてゆきます。私たちの体を

作っている元素も、このようにして恒星が作ったものなのです。

 

 

銀河の合体

 

宇宙の暗黒時代に成長した、ガスの濃い部分からは、恒星の集団である「銀河」も

生まれました。

 

現在の宇宙にある、銀河の形は、天の川銀河のような渦を巻いた円盤状のものの

他、球状、ラグビーボール状(楕円体状)、不規則な形状のものなどがあります。

天の川銀河は100億個もの構成が集まって、円盤部の直径は10万光年にも達し

ます。

では、宇宙で最初にできた銀河はどうだったでしょう。

 

比較的少数の恒星からなる「銀河の種(原子銀河)」だったと、考えられています。

どれくらいの数の恒星からなる集団で、いつ誕生したかはよくわかっていません。

ただ、宇宙誕生から約5億年後には、すでに銀河と呼べるものが、存在していた

ことがわかっています。

 

原子銀河は、近くの原子銀河と重力によって引き合い、衝突、合体を繰り返し

ました。こうして、徐々に大きな銀河へと成長していったのです。

 

 

宇宙誕生0秒後から3億年後ごろまでについて

 

「宇宙誕生0秒後から3億年後ごろまで」についてまとめたページは

こちらをご覧ください。

 

星コラム「宇宙誕生0秒後から3億年後ごろまで」について
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宇宙が誕生から約3億年後から約92億年後ごろまで

 

まとめたページはこちらをご覧ください。。

星コラム「宇宙誕生3億年後ごろから92億年後ごろまで」について
宇宙が誕生してから約3億年後から、約92億年後ごろまでの流れを、まとめてみました。宇宙誕生から約3億年たったころ、ガスの濃い部分は、あちこちで太陽の重さの100分の1くらいのガスの塊へと成長してゆきました。

 

 

 

まとめ

 

星と銀河の進化についてまとめました。

 

宇宙が誕生してすぐには星は存在していませんでした。長い時間をかけて、

始まりの星が誕生し、それらが銀河が作られ、銀河系と呼ばれるほどたくさんの

銀河ができました。

 

まだまだ宇宙の謎はたくさんあって、現在でも、新説が出るほど解明されていない

部分が多い世界です。

 

少しでも、星の世界が近くに感じられるようになればいいなと思います。

 

 

 

 

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