星コラム「土星探査機カッシーニの行方」

土星




 

 

ご存知の方も多いかと思いますが。。。

 

2017年9月15日、

土星探査機カッシーニはグランドフィナーレ

迎えます。

 

その軌跡を少し辿ってみましょう。

 

太陽系惑星について「土星」
美しく神秘的な輪を持つ土星は、その正体は木星と同じガス惑星で、地球の直径の10倍もありながら、とても軽いので、もし、土星を入れることのできる巨大なプールがあれば、土星は水面にプカプカと浮いてしまうだろうと言われています。
太陽系惑星について「土星の衛星」
土星の周りには、リングだけでなく、たくさんの衛星があります。現在、確認されている数は65個です。ごく一部ですが、簡単に紹介します。
星コラム「土星に関する歴史について」
「土星」に関する歴史についてまとめました。土星といえば「環」という感じのイメージですね。ただ遠くから眺めるだけでいいなら、環が何でできているか気になりませんが、数学的理論からでもその正体を解明しようとしていたのです。

 

 

カッシーニの歴史

 

1997年 10月 ケープカナベラル空軍基地より打ち上げ
1998年 4月 金星フライバイ(1回目)
1999年 6月 金星フライバイ(2回目)
8月 地球フライバイ
2000年 12月 木星重力スイングバイの開始(6ヶ月)
 2004年 6月 土星軌道到達
 8月~9月  新しい衛星と環を発見
 10月 衛星タイタン最初のフライバイ
 12月 ホンヘンス・プローブをタイタンに投下
 2005年 1月 ホンヘンス・プローブ タイタンに着陸成功
 2月 衛星エンケラドゥスに水と有機物の噴出を観測
 2006年 7月  タイタンにメタンの海を発見
 2007年 9月 衛星イアペトゥスに接近
 10月 エンケラドゥスの間欠泉と表面の亀裂の関係が判明
 2008年 6月 当初の観測終了時期 、ミッション延長を開始
 7月 タイタンの海の液体の炭化水素を確認
 2009年 8月 土星の春分
 2010年 2月 衛星ミマスに接近
9月 拡張されたミッションを完了し、第2ミッション拡張を開始。土星とその衛星の季節の観測を行う
 12月 土星の北半球に巨大な嵐が出現
2011年 12月 合成開口レーダーを使用して、エンケラドゥスの最高解像度の撮影に成功
2012年 12月 金星で使用した通過時の追跡する視覚赤外線マッピング分光計が、太陽系外惑星にも応用可能か観測する
 2013年 3月 タイタンの南極上空に大気の渦が現れる
衛星レア最後のフライバイ
 2016年  11月 F環のすぐ外側を通過
2017年 4月 衛星タイタンの最も近いフライバイ
最初のグランドフィナーレ軌道開始(本体に最も近い環の内側を通過)
9月 土星大気に突入しミッション終了

 

🌟フライバイ=探査機が探査しようとする惑星に着陸またはその惑星の軌道には入らずに、接近して通り過ぎながら、画像撮影や、他の実験を行う場合の飛行の事。

🌟スイングバイ=天体の万有引力をりよして宇宙機の運動を変更する技術。

引用元

辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書
Weblioは559の専門辞書や国語辞典、百科事典から一度に検索する辞書サイトです。

 

 

土星画像あれこれ

カッシーニが撮影した画像は(C)NASAのHPから無料で使用できます。

いろいろあるので、選ぶのが大変です。

その中で幾つかを。

International Space Station - NASA
To view more images, visit the Space Station Gallery.

 

 

(C)NASA / JPL-Caltech /宇宙科学研究所

🌟土星の六角形のジェット気流は、北極領域の広範囲に影響を及ぼしています。発見はボイジャーですが、鮮明の映像はカッシーニが初めてです。

🌟この映像はリング面の約31度上から見えます。土星から約56マイル(90万km)の距離から撮られたものです。

🌟六角形の正体は巨大な台風の目のようなもので、構造はまだ解明されていません。

 

 (C)NASA

土星は環が美しいですね。

(C)NASA / JPL-Caltech /宇宙科学研究所

 

(C)NASA

 

(C)NASA / JPL-Caltech /宇宙科学研究所

🌟土星の上部ヘイズ層を突き抜ける赤外線波長で画像化すると、土星の大気の高速風は水彩画のパターンを作り出します。大気の抵抗を作り出す固体表面がないため、土星の風は1時間あたり1100マイル(1800km)の速度に到達する事ができます。

🌟この映像は土星の赤道から約28度上から見えます。約592000マイル(953000km)の距離から撮影されたものです。

 

ファイナルミッションに思う

 

(C)NASA

 

🌟土星に関する様々な情報をもたらしてくれたカッシーニ、

2回の延長任務も無事にこなし、無事にこなしてしまったために、

延長し続けたという話もありますが、とうとう最終運用停止という事が、

決まったわけです。

 

🌟その最後までも、ミッション継続中のような

状態での最後。。。。

 

なんとも胸の痛いような、健気で切ないお話です。

 

制御ができるうちに、土星突入の通信が出来る限り続けられ、

我々に情報を送り続けます。

 

🌟土星や土星の衛星に意図しない墜落、衝突を防ぐために

制御可能な時期に、それらの衝突を防ぐ駆動で走行し、

土星に突入し、流星のように燃え尽きてしまいます。

 

「流星のように。。。」は、

日本で言うなれば「はやぶさ」です。

 

あの時は見守る人々がいましたが、今回は

土星で見守る目はない中で、美しい輝くで有終の美を飾る事でしょう。

 

 

予定

9月9日 土星とそのリングの間の22回の通過を行います。最も近いアプローチは雲上から1,044マイル(1,680km)上です。

グランド・フィナーレ・ダイブからのデータのダウンリンクが始まります。

9月11日 土星の最大の衛星タイタンの遠隔飛行を行います。73,974マイル(119,049km)離れているにもかかわらず、タイタンの重力の影響はカッシーニをわずかに遅くし、過去のスピードを速めます。数日後、土星の最も外側の縞模様を通過するのではなく、深く潜り込んでしまいます。
9月14日 イメージングカメラは、土星システムの周りを最後に見て、惑星の北極の周りの六角形のジェット気流、およびタイタンとエンケラドゥスの写真を送り返します。
午後5時45分(EDT午後5時45分/ PDT午後2時45分 アンテナを地面に向けるように切り替え、通信が終了するまで通信リンクを開始し、収集された最終画像やその他のデータを送り返します。
日本時間9月15日6時45分
9月15日 午前4時37分、午後1時37分 「最後の飛び込み」が始まります。大気の最適なサンプリングのために5分のロールを開始し、現在からほぼリアルタイムでデータをミッションの終わりに送信します。
日本時間9月15日17時37分
午前7時53分、EDT /午後4時53分、PDT 土星の大気に入る。スラスターは指向性の安定性を維持する能力の10%で発砲し、高感度アンテナが地球を指し続け、データの継続的な送信を可能にします。
日本時間9月15日20時53分
午前7:54、EDT / 4:54午後PDT スラスターの能力は100%です。大気力は、カッシーニの姿勢の制御を維持するスラスターの能力を圧倒し、高感度アンテナは地球上で制御を失う。現時点では、土星の雲頂から約940マイル(1,510km)上がると予想され、カッシーニからの通信は中止され、カッシーニの任務は完了する。宇宙船は後で流星のように壊れるでしょう。
日本時間9月15日20時54分

🌟EDT=米国東部標準時間、PDT=米国太平洋標準時間

 

 

最新の予定時刻はこちらから

https://go.nasa.gov/2wbaCBT

 

 

まとめ

グランドフィナーレを迎えるカッシーニについて少しまとめてみました。

功績は数知れず、まだ研究途中のものもたくさんあって、

これから長い時間をかけてカッシーニの栄光は語り継がれることでしょう。

 

最後まで、そのミッションを見届けてほしいです。

 

 

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