星コラム「もう少し知りたいブラックホールーその3」

ブラックホール




 

 

 

もう少し知りたいブラックホールのまさかの3つめです。

ブラックホールについては書物を読めば読むほど、謎が出てきて、困りますね。

 

そんな視点から進めていきたいと思います。

 

電波観測で巨大ブラックホールの証拠を捉える

 

🌟銀河の中心の巨大ブラックホールを、確認するために、銀河の中心の質量を

詳細に知らなくてはなりません。そして、恒星の質量ほどのブラックホールと

同様に、狭い領域に大きな質量があることがわかれば、ブラックホールの可能性が

高くなります。

 

1984年、ドイツの電波望遠鏡の観測により、りょうけん座の方向、地球から

2300万光年の距離にある、渦巻銀河「M106」がその中心から非常に強い電波を

出していることがわかりました。

 

さらに色々な電波観測所で観測が行われ、中心付近に5円玉を薄くしたような形状

のガス円盤(降着円盤)が発見されました。

 

次に、ガス円盤を詳しく調べると、5円玉の中心の穴は、半径がおよそ0.4光年、

ガス円盤は時速390万KM、という猛烈なスピードで回転していることがわかって

きました。

 

これらのことから、この銀河の中心の0.3光年の領域で、太陽の3900万倍もの質量

がなくてはなりません。ですが、そのような天体は、今のところ、ブラックホール

以外考えられません。

 

1995年に銀河の中心の巨大ブラックホールの確かな証拠として、初めて発見され

ました。

 

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたブラックホール

 

🌟ハッブル宇宙望遠鏡は、宇宙空間で大気に邪魔されなように、観測ができる

望遠鏡です。ブラックホール候補天体と、周辺構造を詳細な画像と質量のデータを

得ることができました。

 

1994年「M87」と呼ばれる楕円銀河の中心部で、高速回転するガスが検出され、

中心部60光年の領域には、太陽の24億倍の質量があることがわかりました。

さらには中心部の密度1立方パーセクあたり、太陽質量の100万倍と計算され、

巨大ブラックホールの有力な証拠となりました。

 

※パーセク(pc)は天体の距離を表す谷です。1パーセクは3.26光年です。

(C)NASA/M87

 

星雲・星団・銀河どこにあるの?「M87-NGC4486-銀河」
「M87-NGC4486-銀河」について紹介しました。「おとめ座」にありますが、肉眼では見えません。周りの「しし座」や「かみのけ座」などで大まかな位置を確認しましょう。

 

 

銀河のバルジが重いほど、中心のブラックホールも重い

 

🌟様々な銀河の巨大ブラックホールの質量が、わかってくることで、銀河の質量

との関係性もわかってきました。というのも、銀河の「バルジ」と巨大ブラックホ

ールの質量との間に、比例関係があることが確実視されてきました。

 

銀河系のような渦巻銀河の、ほとんどは中心部が膨らんでいます。この膨らみを

「バルジ」といいます。常に明るく輝く星の大集団です。

このバルジが大きいほど、中心にある巨大ブラックホールの質量も大きことが

わかってきたというのです。

 

このことから、巨大ブラックホールは銀河の中心で、周囲と無関係に生まれるので

はなく、銀河の形状と密接に関わりながら生まれ、進化してきたと考えられるよう

になりました。

 

 

まとめ

もう少し知りたいブラックホールの3つめのまとめです。

 

捉えられなかったブラックホールが確認できるようになり、机上の空論ではなくな

ってきているわけですが、それに伴って、推測する部分もまだたくさんあって、

興味は尽きませんね。

 

今回は存在を示すようなものを、中心にまとめてみました。

 

参考文献・サイト一覧
星のコトワリを掲載するにあたっての参考文献・参考サイトを一覧にまとめました。サイトの記事の作成のために参考しています。
ブラックホールについて取りまとめ
ブラックホールに関する項目の記事の取りまとめたインデックスです。またブラックホールの存在が認められる銀河を紹介した記事も合わせて取りまとめています。参考にしてください
星雲・星団を見てみよう
星雲・星団の見つけ方を紹介したページをインデックスとしてピックアップしています。見つけるときにご利用ください。肉眼でも辛うじて見える星団を紹介しています。よく見える環境でなら申し分ないですが、ご自宅で、4等星ほど見える方はご自宅でも見れらま...
星コラム「メシエ天体リスト」
シャルルメシエが作ったリストは一般的に「M〇〇」という表記で使われています。この天体は望遠鏡で見つけられる明るさのものばかりです。星座を見つけた後は星雲。星団の挑戦してみてください。その参考にしてください。
星コラム「全天88星座リスト」
1930年の国際天文学連合を契機に、星座が統一・整理されることになり、星座の境界線が引かれ、星空は世界共通の88星座に統一されました。この88の星座を表にまとめました。
星コラム「1等星一覧」
全天の1等星一覧をリストにしました。一等星は全天に21個とする場合と、ふたご座のカストルを含めて22個とする場合があり、このページでは含めた22個でおおくりしてます。 星座を探す時の目印にもなる1等星です、参考にしてください。
星コラム一覧
星のいろいろな雑学的なところや、星についてのまとめページを一覧にしてます。
星座の窓口
星座を季節ごとにまとめて、見つけ方と神話と探しやすくするためのインデックスページです。
星コラム「太陽系惑星取りまとめ」
星コラムでの太陽系惑星の記事を中心に取りまとめたページです。「水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星」などの簡単にまとめたページ一覧です。
星ヨル部
星のイベントの紹介ページです。女子旅、ご家族で、婚活イベントに、社員旅行などの参考にして星です。また観望会などの情報も随時更新中です。お近くの天文台などお出かけください。
天文用語取りまとめ
天文用語のページを取りまとめています。活用してみてください。

 

 

 

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました