星コラム「金星に関する歴史について」

惑星




 

 

 

🌟ローマ人が愛の女神ビーナスにちなんで名付けられた、「金星」は輝く宝石の

ようで、古代から愛される天体でした。

 

 

その道のりを簡単にまとめてみました。

 

星コラム「太陽系惑星取りまとめ」
星コラムでの太陽系惑星の記事を中心に取りまとめたページです。「水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星」などの簡単にまとめたページ一覧です。
太陽系惑星について「金星」
金星は水星についで、太陽に近い惑星です。地球からは、日の出前の東の空と、日没後の西の空に見ることができます。この時の金星はとても明るく見つけやすく、古くから「明けの明星、宵の明星」と呼ばれ親しまれています。

 

 

金星の物語

 

🌟金星は望遠鏡を使って詳細に観測された最初の惑星です。1610年にガリレオが

観測し、月のような「相」があることはわかりましたが、その表面は最近まで、

わかってはいませんでした。

 

当時は、地球に近く、大きさも似ていたので、雲の下には同じようなジャングルが

広がっているのでは?という憶測までありました。金星の素顔が、明らかになるの

は1970年代になってからのことです。

 

近い星でも、やはり探査機などで見ないと、わからないものなんですね。

 

 

金星の歴史

 

紀元前1万年頃 夜空の金星 金星は先史時代からよく知られていました。太陽に近く、厚い雲で覆われて、高い反射性があるため、月に次いで、夜空に明るく輝く存在でした。
紀元前1600年頃 アミサドュカ王の金星タブレット 天文記録の中で、最も古いものの一つが、古代バビロニア・アミサドュカ王朝時代の粘土板に記された金星タブレットです。紀元前1600年頃、21年に渡り、日暮れ時と夜明け時に金星が地平線上に現れる時刻を楔形文字で記録しています。
紀元前6世紀頃 フォスフォルスとヘスペルス 古代ギリシア人は夜明けと夕暮れの星が別の惑星だと考え、フォスフォルス、ヘスペルスと呼んでいました。のちに、同一の惑星だというバビロニア人の見解を受け入れました。バビロニア人は、自分たちの愛の女神にちなんで、「イシュタル」と呼びました。
906年 マヤの天文台 マヤの古代都市はチェン・イッツァ(メキシコ)にあるエル・カラコルは、マヤの聖職者が天文観測を行なった天文台です。特に金星観測を目的として設計されていました。古代マヤ人にとって金星は、地球の双子星で、戦争の神ククルカンを表すものでもありました。
12世紀 ドレスデン・コデックス(絵文書) スペインの征服者エルナン・コルテスが1519年に、発見したとされる絵文書は、アメリカ大陸で書かれた書物として最古のもので、8世紀マヤの古代書の写しと考えられています。文書には、金星の空への出現について、正確な図解が含まれています。
1610年 ガリレオと金星の相 望遠鏡を用いて金星を観測していたガリレオは、視点の変化に応じて、日照面の大きさが変わることに気がつき、金星にも「相」があることを発見しました。これは、金星が地球ではなく太陽の周りを回っている証拠となり、コペルニクスの説を裏付けるものとなりました。
1639年 金星の太陽面通過 イギリスの天文学者ジュレマイア・ホロックスとウィリアム・クラブトリーは、金星の太陽面通過(地球と太陽の間を他の惑星が通過する)を初めて観測しました。これをもとに、天文学者は地球・太陽間の距離を初めて正確に計算できるようになりました。
1643年 アシェン光 金星の夜の不思議な発光は、アシェン光と呼ばれ、イタリアのジョバンニ・バッティスタ・リッチョーリによって初めて観測されました。1812年、ドイツの天文学者グルイテュイゼンは、アシェン光は金星帝国の火祭りの煙だと主張していました。
1667年 カッシーニのスポット イタリア出身のフランスの天文学者カッシーニは、金星表面の点の移動を追跡し、金星の24時間周期時点を推定しましたが、これは誤りで、1877年になって、イタリアの天文学者スキアパレッリが、金星の自転周期を、正確に225日と計算しました。
1761年 金星の大気 ロシアの天文学者ミハイル・ロモノーソフは、金星の太陽面通過を観測し、金星周囲に太陽光により膨らみができることの気がつきました。この膨らみは、金星に大気が存在し、その大気で、太陽光が屈折している証拠だと考えていました。
1812年 ナポレオンと金星 モスクワに向けて進軍させる際に、フランス皇帝ナポレオンは、幸運の印と言われていた、昼間の空に輝く金星を見ていました。勝利の前触れと考えたナポレオンでしたが、実際には、その後軍勢はロシアから這々の体で退却し、最悪の敗北を喫しました。
1813年 極地域 ドイツ人医師で天文学者でもあったフランツ・フォン・グルイテュイゼンは、熱心に金星の観測をしていましたが、その極地域に明るい地点を認め、極地の氷冠ではないかと、考えました。のちに、金星大気中を移動する明るい雲の渦であることが、判明しました。
1875年 金星の生命 イギリス人の天文学者リチャード・プロクターは、地球以外にも宇宙に生命が存在する可能性が高いと考えられていました。地球と非常に似た大きさの金星には、生命が住めるかもしれず、その暑い雲の下に、進化した文明があるかも知れないと述べています。
1920年代 二酸化炭素の存在 分光学とは、物体の発する光のスペクトルを分析する研究です。天文学では、天体の化学的組成を特定できるようになってきました。これにより1920年代、金星の雲に覆われた大気が、恐るべき密度の二酸化炭素であることがわかりました。
1961年 レーダー探査 1961年以降、レーダー画像によって金星表面の素顔が初めて明らかになりました。その最初は、カリフォルニア州ゴールドストーンの電波望遠鏡によるもので、次いで、プエルトリコのアレシボ天文台が観測を行いました。
1962年 マリーナ2号による初の接近 NASAのマリーナ2号は、12月14日、金星から3万5000kmの距離まで接近し、他の惑星に対してフライバイを行なった初の探査機となりました。マリーナ2号の探査により、金星の雲は低温で、地表は灼熱であることが確認されました。
1966年 ヴェネラ3号による初の着陸 ソ連のヴェネラ3号は、3月1日に金星に衝突し、地球以外の惑星に初めて到着した探査機となりました。その後、ヴェネラ7号と8号の着陸機が通常の着陸に成功し、データから金星表面が455~475℃という非常な高温であることが判明しました。
1990年 マゼラン計画 NASAのマゼラン探査機が、エアブレーキ(空力ブレーキ)により金星の周回軌道に乗りました。レーダー探査により、金星表面の98%のマッピングを進め、完了後の1994年に金星大気圏に突入しました。

 

 

(C)NASA

まとめ

 

🌟「金星」についてまとめました。

 

日本では「明けの明星」と「宵の明星」として、その美しさや、見つけやすさから

人気のある天体の一つです。

 

隣の惑星ということで、古代から注目されていたのが、年代を追ってゆくと

よくわかりますね。

 

参考になれば幸いです。

 

 

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