星コラム「活動銀河について」

ブラックホール
This montage features images of five different objects, ranging from a distant galaxy to a relatively close supernova remnant. Each image contains X-rays from Chandra along with data from other telescopes that detect different types of light. These images were released to commemorate the start of the International Year of Light 2015, a year-long celebration declared by the United Nations. These images illustrate how astronomers use different types of light together to get a more complete view of objects in space.




 

 

 

🌟銀河から届く光の種類には、銀河の星の光を足したもの、というのが一般的で

すが、別の放射源の由来する銀河もあります。それが「活動銀河」です。

 

「活動銀河」という名前をよく聞けど、どんなものかをまとめてみました。

 

 

活動銀河の種類

 

活動銀河とは、どれも中心付近の極めて小さな領域から、その銀河本体よりも

超える膨大なエネルギーが生み出されている銀河のことです。

 

電波銀河

最初に活動銀河として確認されたのが「電波銀河」です。天の川銀河のどの天体と

全く結びつかない強い電波源を検出しました。ですがその姿は1950年代に、大型

電波望遠鏡が使えるようになってからのことで、上記の画像のように、電波源の多

くが、巨大な2つの雲状が膨張していることがわかってきました。

 

更には普通の銀河の両端に位置することがわかります。この雲状の電波源は数万光

年を超えて広がっています。電波銀河が生まれるまでには、銀河が強力なジェット

流を噴出して、それが星間物質の巨大なガスとぶつかって、速度を落とし、電波を

出す、という経過をたどっていると考えられています。

 

クエーサーとセイファート銀河

1960年代初頭に、一見すると恒星のような、輝かしい光源が、急速に変光する

天体が観測されました。この時、準恒星状天体として「クエーサー」と呼ぶように

しました。

 

この天体の光源の波長域が他と全く違っていたので、ドップラー効果で検証する

と、極めて遠方の銀河に存在することがわかりました。最近の望遠鏡では、輝く

光源の中心に、かすかな銀河が認められています。

 

その中でも、異常に明るい中心核を、持つ渦巻銀河を、セイファート銀河と読んで

います。クエーサーと同類でも、セイファート銀河の方が、穏やかなタイプという

こもわかってきています。

 

 

活動銀河核とブラックホール

 

🌟電波銀河や、クエーサー、セイファート銀河の活動銀河中心核は、銀河の中央

にある非常に大きなブラックホールが、周囲から物質を取り込む時に、できること

がわかっています。

 

物質が中心部へ渦を巻いて落下すると、回転する降着円盤が生まれ、これが摩擦に

よって超高温になり、広帯域の放射を放ちます。物質の一部は、ブラックホールの

磁場に巻き込まれて、粒子ジェットとして、光速で飛び出します。

 

これらは活動銀河と呼ばれ、銀河中心核の活動度と、地球から見える角度などに

よって、電波銀河、クエーサー、セイファート銀河などの分類されます。さらに珍

しいものには、ジェットが真上から見下ろす角度になる「ブレイザー」という天体

もあります。

 

(C)NASA

 

銀河の合体と活動銀河

 

地上や軌道上の新型望遠鏡によって、活動銀河中心核と銀河の衝突には、密接な

関係があることがわかってきました。また、ほとんどの活動銀河は、中央にブラッ

クホールがあると考えられています。

 

一般的にその重力に支配されるほど近くにある物質は、とっくにブラックホールに

飲み込まれていて、残っているのは、辛うじて影響を受けていない範囲で、公転し

ていることが想像されます。

 

これらの均衡が破られる時は、銀河の接近遭遇や衝突が考えられます。新たな物質

が近づくと、中心核は一時的な活動に目覚めます。このような現象は、宇宙の初期

にはもっと頻繁て激しかったことでしょう。

 

星コラム「遠方の銀河について」
遠方の銀河についてまとめました。「モンスター銀河」のニュースを聞いたときのドキドキやワクワク感は、天文ファンや宇宙に興味のある方なら共有したのではないでしょうか。遠く離れた最遠方の宇宙で起こっている出来事の、想像ではないところが垣間見れた瞬間です。

 

まとめ

活動銀河についてまとめました。

 

活動銀河とは、どれも中心付近の極めて小さな領域から、その銀河本体よりも

超える膨大なエネルギーが生み出されている銀河のことで、その種類には

電波銀河、クエーサー、セイファート銀河などがあります。

 

参考になれば幸いです。

 

 

参考文献・サイト一覧
星のコトワリを掲載するにあたっての参考文献・参考サイトを一覧にまとめました。サイトの記事の作成のために参考しています。
ブラックホールについて取りまとめ
ブラックホールに関する項目の記事の取りまとめたインデックスです。またブラックホールの存在が認められる銀河を紹介した記事も合わせて取りまとめています。参考にしてください
星雲・星団を見てみよう
星雲・星団の見つけ方を紹介したページをインデックスとしてピックアップしています。見つけるときにご利用ください。肉眼でも辛うじて見える星団を紹介しています。よく見える環境でなら申し分ないですが、ご自宅で、4等星ほど見える方はご自宅でも見れらま...
星コラム「メシエ天体リスト」
シャルルメシエが作ったリストは一般的に「M〇〇」という表記で使われています。この天体は望遠鏡で見つけられる明るさのものばかりです。星座を見つけた後は星雲。星団の挑戦してみてください。その参考にしてください。
星コラム「全天88星座リスト」
1930年の国際天文学連合を契機に、星座が統一・整理されることになり、星座の境界線が引かれ、星空は世界共通の88星座に統一されました。この88の星座を表にまとめました。
星コラム「1等星一覧」
全天の1等星一覧をリストにしました。一等星は全天に21個とする場合と、ふたご座のカストルを含めて22個とする場合があり、このページでは含めた22個でおおくりしてます。 星座を探す時の目印にもなる1等星です、参考にしてください。
星コラム一覧
星のいろいろな雑学的なところや、星についてのまとめページを一覧にしてます。
星座の窓口
星座を季節ごとにまとめて、見つけ方と神話と探しやすくするためのインデックスページです。
星コラム「太陽系惑星取りまとめ」
星コラムでの太陽系惑星の記事を中心に取りまとめたページです。「水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星」などの簡単にまとめたページ一覧です。
星ヨル部
星のイベントの紹介ページです。女子旅、ご家族で、婚活イベントに、社員旅行などの参考にして星です。また観望会などの情報も随時更新中です。お近くの天文台などお出かけください。
天文用語取りまとめ
天文用語のページを取りまとめています。活用してみてください。

 

 

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました