星コラム「連星・多重星・変光星について」

恒星




 

(C)NASA/ アルビレオ

 

🌟恒星の中には色々な種類分類があります。

今回は連星・多重星・変光星についてまとめてみました。

 

連星について

 

🌟肉眼で1つのように見える恒星のなかには、望遠鏡などで観測すると、2つ以上の

星で確認できる恒星があります。代表的なものの中に、「はくちょう座」の頭部に

ある恒星でアルビレオがあります。

 

私も観測会に参加した時に、見せてもらいましたが、青と黄色っぽい星が並んで

いました。ちょうど、覗いた時に人工衛星が通過して、テンションが上がったので

余計に記憶しています。

 

それはさておき、明るい方の恒星を主星として、暗い方を伴星としていますが、これ

は地球から見える明るさによるものです。

 

というのも、重星の関係性は、様々で、お互いの距離が近い場合もありますが、地球

から見える位置にたまたま同じ方向にあっただけの「見かけ重星」というものも合わ

せて連星と呼んでいます。

 

太陽は単独の構成ですが、天の川銀河内の恒星には、連星系の恒星が、かなり多く

存在していると考えられています。

 

その連星率は恒星の質量に、依存する様子がみられ、大質量の恒星では75%と大半

が連星で、中級の質量も3分の2以上が、連星だと言われています。個体数の多くを占

める、赤色矮星の大多数が、単独で存在しています。

 

夏の星座の見つけ方「はくちょう座」
夏の宵の頃、天高く輝く3個の明るい星が目を引きます。これは「夏の大三角」と呼ばれる、 「こと座のベガ」、「わし座のアルタイル」、「はくちょう座のデネブ」探すのもすごく簡単に見つかりますね。

 

(C)NASA/ ケンタウルス座α星A,B

 

実視連星と分光連星について

 

実視連星

光学観測で、2つの恒星に分離して観測できる連星を「実視連星」と呼んでいます。

 

分光連星

地球から見て、連星の軌道を極方向から観測すると、公転周期が短ければ、位置角の

変化から、公転運動が確認される連星もあります。

 

軌道面が視線方向に近い場合、2つの星が地球に対して、近づいたり、遠ざかったり

するため、ドップラーシフトによって、青方偏移と赤方偏移を周期的に、繰り返しま

す。こうした連星を「分光連星」と呼んでいます。

 

光学観測で分離できないほど、接近している連星でも、この運動を分光観測すると

発見されることがあります。

 

食連星

軌道面が視線方向と完全に一致する連星の場合、伴星と主星が公転のたびに、相手の

手前を横切り、恒星同士の相互食によって、連星系全体の特徴的な、周期変光を示し

ます。このような連星を「食連星」と呼んでいます。

 

 

 

(C)NASA/ふたご座ポルックスとカストル

 

 

多重星について

 

太陽系から最も近いケンタウルス座α星は、三重星として知られています。ふたご座

のカストルは、明るい実視連星を、2組の分光連星が公転している、六連星であるこ

とがわかっています。

 

このように、恒星には多重星系に属するものが少なくありません。これは星形成の

シュミュレーション研究でも、統一見解としてあげられ、星形成領域での分子雲コア

の分裂から生まれる原始星は、一般的に多重星として誕生すると考えられていて、単

独で生まれることの方が、少ないとされています。

 

数値計算では、3体以上の恒星から成る系は、非周期的な運動で、軌道がカオスに

陥り、やがて1つずつ恒星系から弾き飛ばされ、最終的に連星が残って安定する。

 

このような理論研究は最近の観測技術向上に伴って、支持され多くの原始星連星の

発見に一役かっています。また電波観測ではガス円盤が分裂して、複数の原始星が

生まれる様子も確認されています。

 

春の星座の見つけ方「ケンタウルス座」
「ケンタウルス座」の見つけ方を紹介しました。大きな星座ですが、全貌が見られません。地平線の上に出ている部分にはかろうじて2等星があるので、それを頼りに探して見てください。
冬の星座の見つけ方「ふたご座」
黄道12星座の「ふたご座」の見つけ方を紹介しました。冬の夜空を彩る星座の一つです。是非覚えて欲しいですし、周りも賑やかな星座のある場所なので、見ても楽しいです。そして「冬のダイヤモンド」がある頃が一番華やかなので、合わせて見つけ方も紹介します。

 

 

(C)NASA/ ミラ

秋の星座の見つけ方「くじら座」
秋の星座の「くじら座」の見つけ方を紹介しました。くじら座は全天で4番目に大きな星座ですが、暗い印象の星が複雑な形に並んでいるので、全体像を捉えるのは少し難しい星座の一つです。

 

変光星について

 

恒星の高度が変化する変光現象は、恒星の進化段階や、連星の相互作用によって、

いくつかタイプに分かれます。

 

よく耳にするのが、「ミラ型」という脈動型変光星ではないでしょうか、「くじら

座」のミラが代表的なモデルケースとなっていて、赤色巨星へ進化した恒星全体が、

膨張と収縮を繰り返すために、周期的変光をします。

 

ミラは100日以上の長周期で、数等級の変光を起こしています。また、数日程度の

周期で小幅な変光をする「ケフェウス座δ型」などがあります。

 

この他にも、食連星は主星と伴星が交互に相手を隠す時に光度が下がるので、変光し

ます。このような場合は「食変光星」と呼ばれます。また、突発的に激しく変光する

天体の「激変光星」も変光星の一種です。

 

 

変光星についてはより詳しくまとめたこちらをご覧ください。

星コラム「変光星とは?」
「変光星」について簡単にまとめました。よく耳にする言葉ですが、どのようなものがそれらに当たるのか、参考にしていただければ幸いです。変光星はそれぞれに見頃があり、観測しだしたらハマる方も多いので、見る機会がありましたら是非観望してみてください。

 

 

まとめ

 

🌟連星・多重星・変光星についてまとめてみました。

 

連星は望遠鏡などで分離できるものが、観望会などでは注目点体として、取り上げ

られることが多いので、お近くの観望会などぜひ参加して見てください。

 

良い観望でありますように。。。

 

 

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