星までの距離はどうやって測っているかご存知ですか?
「たくさんの天文学者の方が研究やデータから計算して、
距離を測っている。」
確かにそうなのですが、ではどのように導き出しているのか。
星の距離の測り方
近い距離の測り方
身近なところで、人間の目は基本2つありますね、
2つの目の真ん中に指を1本立てて、左右を交互に目をつぶって
みてください。
指が左右に動いて見えると思います。
この動きは指が目に近いほど大きく、遠くなるほど小さくなります。
この左右のズレの大きさを目が捉えることで、
私たちは瞬間的に物体までの距離を感んじています。
さて、この実験を、星を眺めながらしてみてください。
同じようにやってみても星は動いては見えません、
これは目の間隔に比べて、星があまりにも遠くにあるからです。
それでは間隔を広げてみましょう。
地球の端と端とで同時に天体をみてみると、
星の方はこれでも動いては見えません。
そこで、地球が太陽の周りを回る動きを利用して、
一番離れる2点で同じ観測をしてみます。
春と秋に同じ星の位置を測定してみるのです。
すると、幾つかの星が周りの暗い星に対して、わずかに動いていました。
わずかでも動いていたら、動いた角度から、
星までの距離を割り出せるのです。
いわゆる、宇宙の三角測量です。
その前に太陽までの測り方はこちらをご覧ください。
(C)NASA
遠い距離の測り方
しかし、この方法では、太陽系の比較的近くにある星だけです。
もっと遠くにある星団などは、星の明るさと色の関係を使って
推測するのです。
例えば、黄色い星なら、太陽と同じ明るさだとわかっているので、
その見かけの明るさから距離を推測します。
さらに遠い距離は?
さらに遠くの銀河などは距離を測るため、
「脈動変光星」という星を利用します。
「脈動変光星」というのは、心臓が脈打つように、
規則正しく膨らんだり、縮んだりしながら、明るさを変えている星です。
周期が長いものほど明るく、短いものはど暗いという関係
(周期光度関係)があります。
そのため、変光の周期がわかれば、その星の本当の明るさがわかります。
「本当の明るさ」と「地球からの見かけの明るさ」の違いを
分析して距離を推定するのです。
また、地球から最も離れている天体は、宇宙が膨張しているために
地球からものすごいスピードで遠ざかっています。
そのため、その遠ざかる速さから距離を推定しています。
(C)march of gabriel
星の距離の単位
一般に星までの距離は大変遠いので、日常生活で用いる単位ではなく、
「光年」という単位を使っていますね。
1光年は1秒間に30万キロ進む光が、1年かけて進むことが
できる距離、約9兆4600億キロメートルです。
地球からその星まで行くのに、光の速さで何年かかるかで、
星や銀河までの距離を表しています。
また、先ほどの「三角測量」に由来する単位も有ります。
星の動きが1秒角(1度の3600分の1)になる距離を
「1パーセク」と定義されています。
「1パーセク」は3.26光年に相当します。
まとめ
星までの距離の測り方は、星の遠さによりいろいろ推測方があります。
比較的近い星は「三角測量」で測れますが、
遠くなるにつれ、明るさで推測します。
さらに遠くは離れていく速度から推測しています。
参考文献・参考サイト一覧はこちら
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