(C)NASA
「太陽系の果て」を考えたことがありますか?
そもそも「果て」と呼ぶものがあるのか、疑問が残るところですね。
現在の宇宙の考え方の一つに、「太陽系の果て」とされているものがあるので、
その辺をまとめてみました。
太陽系惑星はこちらから各惑星が探せます。
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太陽圏(ヘリオスフェア)
🌟太陽系の一番外側の軌道を、回っている惑星は「海王星」です。
ですが、「太陽系の果て」には当たりません。
太陽系としての範囲は、太陽から秒速400km以上の速さで吹き出している、太陽風が
届く範囲です。これは、「海王星」の軌道までの、距離の約5倍以上の範囲には、届い
ていると考えられています。
太陽風が届くということは、そこまで太陽が影響を及ぼしているということです。
つまり、その届か、届かないかといったあたりが「太陽系の果て」というところになり
ます。
この太陽風が届き太陽の影響力がある、範囲を「太陽圏(ヘリオスフェア)」と呼んで
います。
太陽圏界面 (ヘリオポーズ)
🌟ヘリオスフェアの果てでは、太陽風は銀河系の恒星間ガスと衝突し、阻まれていま
す。この太陽風と恒星間ガスとの境目で、形成されるのが、「太陽圏界面(ヘリオポー
ズ)」と呼ばれています。
ヘリオポーズは、半径130~160天文単位の範囲まで、広がっていると考えられてい
ます。
現在、パイオニア10号と11号、ボイジャー1号、2号の4機の探査機が、太陽系の外へ
向けて航行しています。2004年にボイジャー1号が、2007年に2号が、ヘリオポーズの
手前にある「終端衝撃波(ターミネーション・ショック)」を通過しました。
太陽の赤道面から北側に向かった1号と、南側に向かった2号の到達距離から、太陽圏
は南側が押しつぶされた形と考えられています。
探査機ボイジャーのプチ情報
1977年にNASAによって、相次いで打ち上がられた探査機ボイジャー1号機と2号機。
およそ30年の歳月をかけて、ヘリオポーズの手前にある終端衝撃波を通過しました。
太陽の赤道面から北側に向かったボイジャー1号機は、航行距離が約140億kmでした。
また、南側へ向かった2号機の航行距離は、約130億kmとおよそ10億km短っかたので
す。
この結果から、ヘリオスフェアの形は南北で対象ではなく、南側が押しつぶされたよう
な形をしているのでないかと考えられています。
ただ、2つだけの方向からの距離なので、かなりの憶測です。惑星状星雲などの恒星ガ
スは近いところの、何らかの重力によって、影響を受けやすく、また近い銀河などの
重力の影響で、ゆがんでしまう銀河はたくさん存在しています。
ただ、海王星の軌道が歪められるほどの、影響力を持った何かは、今のところ、存在し
ていないようなので、なんとなくの統一見解として、太陽系を中心としたボンヤリした
楕円のようなものに例えられています。
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ヘリオスフェアの中にはこんな領域もあります。
エッジワース・カイパーベルト
「カイパーベルト」と省略されて聞いたことがあると思いますが、「海王星」よりも
外側の30~50天文単位の領域にある、氷と岩でできていると考えられている小天体
「太陽系外縁天体」が多く集まっている領域のことを「エッジワース・カイパーベル
ト」と呼んでいます。
エッジワース・カイパーベルトは、太陽系の惑星と同じ黄道面に並んでいます。
中には、1000天文単位も離れた小天体セドナもあります。主にこれらの小天体は短期
周期彗星へと進化してゆくと考えられています。
彗星のまとめたページはこちらをご覧ください。
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オールトの雲
🌟「エッジワース・カイパーベルト」のさらに1万〜10万天文単位のところに広がって
いる領域を、「オールトの雲」と呼んでいます。
オールトの雲も無数の氷と岩で構成された彗星の卵がたくさんあると考えられていま
す。長期彗星の巣になっていて、およそ5兆〜6兆個もの彗星の卵が、潜んでいると言わ
れています。
ただ、「オールトの雲」由来の天体が測定された記録はなく、彗星軌道やカイパーベル
トなどの以外の長期彗星の統計からの状況証拠しかありません。そのため、存在そのも
のを確定できない領域としている研究もあります。
太陽系外縁天体について
太陽系外縁天体についてはこちらのページをご覧ください。
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太陽系のその先にあるもの
太陽系の果ての先にあるものについてはこちらをご覧ください。
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まとめ
🌟太陽系の果てについてまとめました。
太陽系惑星の一番外側が「海王星」です、惑星のさらに外側に、小さな氷や岩の
集まった彗星の卵がたくさんある領域があり、さらにその外側にまで、太陽風が届いて
います。
太陽のエネルギーはすごいんですね。。。
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