(C)NASA
「太陽系の果て」にはいわゆる外宇宙との壁のような状態で、太陽風と恒星風との
ぼんやりとした、ぶつかり合う場所のような境目があります。
海王星と太陽風が届く範囲の間までの間は「オールトの雲」と呼ばれる、長期彗星の
故郷があって、考えられる天体は、小さな氷や岩の集まりとなっています。
果たして、果ての先にな何もないのでしょうか?。。。
「太陽系の果て」についてはこちらのページをご覧ください。
未発見の惑星の存在?
🌟2010年11月に、アメリカの研究グループが、太陽系の果てに木星の1~4倍の重さの
惑星が存在している、という論文を発表しました。
研究内容は、果てのあたりの彗星を多数観測し、軌道を分析しました。その分析の結
果、軌道に偏りが見つかり、それをうまく理論立てるには、未知の天体の重力が影響を
及ぼし、軌道を歪ませているというものです。
オールトの雲に未知の天体?
「オールトの雲」は太陽から1万~10万天文単位にあると考えられている、彗星の故郷
のような領域のことをそう呼んでいます。
この「オールトの雲」自体も仮説の域を出ていませんし、さらにその領域に未知の天体
があるというのは、どうやって証明するのかかなり難しい問題です。
ただ宇宙の謎を考えるときには、かなり想像力が大切で、受け取る私たちも、納得いく
材料がないと、信じなくていいのですが、それまでは広くお互いの意見を聞く姿勢が
大切なんですね。
「オールトの雲」があるとして、続きを説明します。
オールトの雲は太陽系の果てと呼ばれる領域なので、太陽から受ける影響はかなり少な
いです。そこから何かの拍子に彗星として、太陽系の私たちの近くまで来ることになっ
ても、この領域からやってくる彗星は200年周期以上です。
この長期彗星の軌道が乱されていると観測結果が出ているとの発表で、その原因として
あげられるのが、①銀河系全体から受ける重力(潮汐力)の変化、②太陽系の近くを通過
する他の天体の重力の影響、などです。
この長期彗星の軌道を約100個ほど観測した結果、そのうちの約2割は均等な分布から
外れた軌道になっていたそうです。
この軌道の歪みを考えるときに、仮定とされたのが、オールトの雲の中に、木星の1~4
倍の重さの天体で、その重力の影響をデータに入れると、説明がすんなりいくというも
のです。
ただ、この研究グループはかなり古くから、オールトの雲にある未知の天体を研究しよ
うとデータを集めていたそうで、その辺がデータ量が信頼性を主張しています。
太陽系外縁天体についてはこちらのページをご覧ください。
(C)NASA
未知の天体の正体
これだけ、色々とデータが集められているのに、実観測ができていないのは何故か。
未知の天体が実在するなら、巨大なガス惑星、の可能性が高く、自ら輝く恒星でなく、
惑星で、しかも、太陽から遠い場所にあるので、可視光線の観測では、発見するのは
難しいのです。
ただ、最近の観測技術は進歩しているので、赤外線などの観測で明らかになるかも
しれないと余白を残しています。
初めてではない
実は「オールトの雲」に未知の天体があるという考えは、1980年代にもありました。
仮に「ネメシス」と名付けられた未知の天体は、周期的に「オールトの雲」を乱し、
彗星を多量に活動させ、太陽系を周回する彗星が増え、その影響で、地球でも彗星が
衝突して、人類滅亡の危機を招く。。。とか、ないとか。。。
現在では、その説は衰退してゆきました。
可能性は否定できない
宇宙において、あらゆる可能性は否定できません。謎だらけの世界ですから、ですが
個人的には、ちょっと無理があるかなと思います。実際に観測されるまでは、まだ信憑
性にかけるかな。。。と思っています。
いくつかの私なりの違うなと思うところは、
①実観測できていない。(影でも何かあれば。。。)
②海王星以遠での惑星形成に関する条件を満たしていない。「オールトの雲」の中での
惑星形成(しかも木星の1~4倍の大きさの)というのに無理がある。
③ボイジャー2号機の航行距離が短く、ヘリオスフェアの形は南側が押しつぶされてい
ると考えられているので、「オールトの雲」が綺麗な球状をしているとは限らない。
このような点が解決できないと思うので、「オールトの雲」」の外側に近くの銀河の影
響とかの方が、まだうなづけます。
あなたはどう思いますか?
まとめ
太陽系の果ての先にあるものについてまとめました。
「太陽系の果て」にはいわゆる外宇宙との壁のような状態で、太陽風と恒星風との
ぼんやりとした、ぶつかり合う場所のような境目で、未知の天体があるかもしれない
という夢があるテーマですね。。。。
あなたはどのような考えをお持ちでしょうか?
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