このページは春の星座の神話「しし座」です。
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黄道12星座の5番目として古くから知られている「しし座」ですが、
神話ではどうでしょう。
しし座の神話
ネメアの森に、いつの頃からか人食いライオンが住み着き、
村人や通りかかった旅人を襲っていました。
退治に向かった勇者は誰一人として戻ってはきませんでした。
このライオンは、実は、怪物デュポンの子で、巨大なうえに、
その皮膚は鉄よりも硬い怪物でした。
この話が、ティリュンスの王、エウリステウスの耳に入ります。
エウリステウス王のもとには、自分の妻子を殺した大罪を償う為に、
大神ゼウスの命令でヘラクレスが身を寄せていました。
「罪の償いには丁度良い」とエウリステウス王はヘラクレスに
この怪物退治を命じました。
ネメアの国にたどり着いたヘラクレスは、森の中を案内してくれる
人間を探しましたが、森の近くの住人は、すべてライオンに食べられて
しまっていて、地理に詳しい人間を見つけることができないでいました。
仕方なく、ヘラクレスは、一人で森の中へと入って行きます。
20日以上もの間、ネメアの森を彷徨っていたヘラクレスでしたが、
ある日の夕暮れに、やっと、人食いライオンに出会いました。
ライオンは今、人を食べてきたばかりなのか、
口からは真っ赤な血を滴らせています。
ヘラクレスは、ライオンに何本も矢を射掛けますが、
全部弾き返されてしまいました。
何も感じないとばかりに、ライオンはあくびをしています。
次に、剣を抜いて切り掛かりましたが、まるでその剣は
紙でできているかのように、ぐにゃぐにゃ曲がってしまいました。
ヘラクレスは最後の手段で、棍棒を振り上げると、
渾身の力を振り絞って、ライオンの頭を殴りつけました。
しかし、棍棒は無残にも折れてしまい、なすすべもありません。
一方、ライオンはビクともしないばかりか、再三の攻撃に怒って、
ものすごい勢いでヘラクレスに襲い掛かります。
とっさに身を躱してみたものの、素手で戦うしかありません、
悪戦苦闘の末、3日3晩、素手でライオンの首を絞めることができ、
ついに退治することが、できたのです。
しし座の誕生
この様子を見ていた、女神ヘラは、ヘラクレス相手によく戦ったと、
このライオンを星座にしました。
人食いライオンでも褒美のような扱いで「しし座」が誕生したのです。
その後、ヘラクレスは、人食いライオンの鋭い爪を使って、
ライオンの皮を剥ぎました。
そして、矢も剣も当さない皮を鎧として体に巻き、
頭部は兜として被りました。
ライオンを退治して帰ったヘラクレスをネメアの人々は大歓迎しました。
手厚いもてなしと称賛を受けたヘラクレスは、意気揚々とティリュンスへ
凱旋を果たします。
この話を聞いたティリュンスの王、エウリステウスは、震え上がりました。
ヘラクレスがとんでもない力を持っていることを初めて知ったからです。
恐れをなしたエウリステウス王は、鍛冶屋に命じて、頑丈な壺を作らせ、
ヘラクレスがやってくるたびに、そこへ逃げ込みました。
そのうちヘラクレスはティリュンスの王宮への出入りを禁じられて、
命令は使者を通じて行うようになったそうです。
余談ですが、
このエウリステウス王は、女神ヘラの頼みを聞いて、ヘラクレスに無理難題を
突きつけていたので、そのことを知られれば、ヘラクレスに仕返しされると、
恐れていたのです。
この辺のくだりは「ヘラクレス座の神話」をごらんください。
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まとめ
ヘラクレスの「試練」のうちの「人食いライオン」が
「しし座」となったわけですが、
人食いというと悪者のイメージですね、
以外と悪者でも、星座となっていることがあります。
ギリシャ神話は善悪が日本人とは少し違う解釈があって
不思議な感じがします。
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