星コラム「系外惑星トラピスト-1について」

惑星




(C)NASA/トラピスト1f想像図

 

トラピスト-1は直径が太陽の約10分の1という大きさですが、

地球のような岩石惑星が相次いで発見された星系です。

 

まだまだ研究中で謎が多いですが、少しまとめてみました。

 

星コラム「系外惑星の分類について」
系外惑星の分類についてまとめてみました。宇宙は広いので、地球と良く似た星があっても、不思議ではありません。

 

 

基本情報

 

星座 みずがめ座
種類 恒星/2MASS J23062928-0502285
赤経 23h06m29.4s
赤緯 -0.5°02’29.2″
明るさ 18.8等級
距離 39.5光年

 

🌟トラピスト-1は、地球から39.5光年という比較的近距離にある星です。この星と

惑星が一緒に星系を作っています。

 

どこにあるのか

 

(C)アストロアーツ/星空年間

 

「みずがめ座」のφ星のすぐ上くらいの場所にあります。「みなみのうお座」のα星

フォーマルハウトと「ペガスス座」のα星との線上になります。

秋の星座なので、秋の夜長にその辺りに、系外惑星があるんだ〜と、思いを馳せて

みましょう。

 

秋の星座の見つけ方「みずがめ座」
「みずがめ座」は秋には見頃を迎える星座です。流星群は深夜に出現します。 7月の21時頃やっと東の空から昇り始めます。全体的に3等星から5等星という目立つ星があまりありません、しかも全体像は大きめなので、全体を見つけるのは少し難しいようです。
秋の星座の見つけ方「みなみのうお座」
まだつ星が少ない秋の星座ですが、1等星がある「みなみのうお座」は比較的探しやすかったり、目印になったりします。大まかな位置は「みずがめ座」の南下に位置しています。南の低空に10個ほどの星が楕円形を描いています。
秋の星座の見つけ方「ペガスス座」
秋の宵の頃には、東の空高く4個の星が大きな四辺形を、形作っています。逆さまになった、天馬ペガススの上半身の姿が描かれています。夏の大三角から探すか、秋の黄道星座から探すか、両方を紹介しました。

 

 

トラピスト-1について

 

直径は木星と同じくらいで、明るさは太陽の2万分の1程度。

 

表面温度は2560k(2286.850℃)と低いため、中心部で核融合反応を起こすことがで

きない「褐色矮星」と思われていましたが、スペクトル観測では、「赤色矮星」と判

定されました。「超低温矮性」とも呼ばれています。

 

ちなみに太陽の表面温度が5800k(5526.850℃)です。また、7つの惑星の軌道の大き

さは、太陽系の水星の軌道よりも、恒星に近い場所を公転しています。

 

この恒星はエネルギーの多くを赤外線で放っていて、その波長で観測されました。

ところが、2015年に南米のチリにある、トラピスト望遠鏡での観測結果が、明るさ

が、一定間隔で変光しているというものでした。

 

その原因は、3つの惑星が恒星の前面を、周期的に通過することによる、減光と判明

しました。こんな小さな恒星に惑星が見つかったのは初めてのことでした。

 

これ以降、望遠鏡の名前をとって、「トラピスト1」と呼ばれるようになりました。

その後の観測で、4つの惑星も発見され、合計で7つの惑星を有する星系であることが

判明しました。

 

 

なぜ注目されたのか?

 

「小さな恒星に7つの惑星」というだけが注目されたのではなく、この7つの惑星が

全て地球と同じ岩石惑星だったことが大きいです。さらには、内側の6つの惑星の

質量が地球の0.4~1.4倍、半径が0.77~1.13倍の範囲にあって、地球ととても良く似

ていることも拍車をかけます。

 

このうち、恒星に近い方から4番目〜6番目の惑星は、水が液体で存在する、ハビタ

ブルゾーン内にあります。水は生命の誕生にも、深く関わりがあり、地球外生命体の

存在する可能性が、期待されています。

 

(C)NASA

 

 

生命誕生の可能性の問題点

 

上記までの条件なら、かなり期待してしまうのですが、問題点もあります。

7つの惑星はどれも、自転周期と公転周期が一致していて、同じ面を恒星に向けて

います。ということは、半分は灼熱、逆側が極寒という過酷な環境が予想されます。

 

そんな中で、唯一希望的観測は、灼熱と極寒の間に当たる境目の場所が、適度な温度

が保たれているのではないか、ということです。

 

さらに、もう一つ問題があるのは、温度が低くても赤色矮星であることです。

赤色矮星の多くは、活発にフレアを起こします。この時、強いエネルギー放射線や、

大量の荷電粒子を放出するので、惑星を直撃すると、生命に重大な影響を与えると

考えられます。

 

このような問題はまだ研究段階で懸念される問題点として挙げられているので、

さらなる、観測と研究に期待したいところなのです。

 

星コラム「地球外生命体はいるのか?について」
地球外生命体について、現在の考え方などまとめました。宇宙の謎の中で、生命に関することは必ず出てきますし、私たちが誕生しているということは他に星にも生命体がいても、おかしくないのに、なぜ証拠が出てこないのでしょうか。。。

 

まとめ

系外惑星「トラピスト-1」についてまとめました。

 

小さな星系で、生命の可能性があるのはとてもファンタジーな感じで、リアルに

生命体がいてほしいな、と思っています。

 

ただ、謎の解明にはまだ少し時間がかかることでしょう。

気長に宇宙時間を待ってみましょう。

 

 

 

参考文献・サイト一覧
星のコトワリを掲載するにあたっての参考文献・参考サイトを一覧にまとめました。サイトの記事の作成のために参考しています。
星雲・星団を見てみよう
星雲・星団の見つけ方を紹介したページをインデックスとしてピックアップしています。見つけるときにご利用ください。肉眼でも辛うじて見える星団を紹介しています。よく見える環境でなら申し分ないですが、ご自宅で、4等星ほど見える方はご自宅でも見れらま...
星コラム「メシエ天体リスト」
シャルルメシエが作ったリストは一般的に「M〇〇」という表記で使われています。この天体は望遠鏡で見つけられる明るさのものばかりです。星座を見つけた後は星雲。星団の挑戦してみてください。その参考にしてください。
星コラム「全天88星座リスト」
1930年の国際天文学連合を契機に、星座が統一・整理されることになり、星座の境界線が引かれ、星空は世界共通の88星座に統一されました。この88の星座を表にまとめました。
星コラム「1等星一覧」
全天の1等星一覧をリストにしました。一等星は全天に21個とする場合と、ふたご座のカストルを含めて22個とする場合があり、このページでは含めた22個でおおくりしてます。 星座を探す時の目印にもなる1等星です、参考にしてください。
星コラム一覧
星のいろいろな雑学的なところや、星についてのまとめページを一覧にしてます。
星座の窓口
星座を季節ごとにまとめて、見つけ方と神話と探しやすくするためのインデックスページです。
星コラム「太陽系惑星取りまとめ」
星コラムでの太陽系惑星の記事を中心に取りまとめたページです。「水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星」などの簡単にまとめたページ一覧です。
星ヨル部
星のイベントの紹介ページです。女子旅、ご家族で、婚活イベントに、社員旅行などの参考にして星です。また観望会などの情報も随時更新中です。お近くの天文台などお出かけください。
天文用語取りまとめ
天文用語のページを取りまとめています。活用してみてください。

 

 

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました