(C)国立天文台
このページは秋の星座の「カシオペヤ座」です。
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「カシオペヤ座」
秋の深まりと共に北の天高くにその姿が捕らえやすくなってきます。
と言っても、かなりの方はカシオペヤ座の5つの星が描く「W」、
時には「M」にも見える姿は馴染みの形ではないでしょうか。
特に「W」で見える形の方が覚えがいいのは、
一番見やすい秋頃にある姿が「W」だからでしょう。
1等星があるわけではなく、特に大きい星があるわけでも、
黄道12星座でもない、星座ですが、こんなにメジャーなのは、
形が覚えやすいのと、北斗七星と同様に「北極星」を探す時に
まず「W」を。というような流れになっているからでしょうか。
さて、
見つけ方
「北の空の5つ星で「W」となっているのが、
カシオペヤ座です。」
見つかりましたか?
ちょっと説明不足でしょうか。
北の空を見ていたでければ、納得いくのではないでしょうか。
それでも、都会では、2つの2等星までくらいしか、見つからないかもしれないです
ね。残りの3つの星は3等星なので、目を暗がりで慣らして奥か、灯から遠ざかって見
るとなんとか3等星まで見えませんか?
実は、ほぼ1年中見えるのですが、春から夏は低い位置にあります。しかも、この時
期の方が「W」の向きになっています。秋から冬に見頃になるときは、ちょうどいい
高さにくるので、探し易いというわけです。
秋の見頃には「M」なのに、「W」の印象が強いのは、どこから来ているのでしょう
か。。。謎ですね。
(C)アストロアーツ/星空年間
「カシオペヤ座」も古い星座の一つです。
ギリシャでは「カシオペヤ座」の事を「ラコニアの鍵」と
呼んでいたという事です。
ラコニアは古代ギリシャ南部の国で、鍵はこの国の発明品、
という説から来ています。
アラビアでは「W」の形をマニキュアで染めた手に見立てて、
「ヘナで染めた手」という古い呼び名もあります。
日本では「山形星」や「錨星」などで、
ほぼ一年中北側の空に見えるので、北極星の上に見えるMは山形に、
北極星より低く見える時はWの錨に、例えていたようです。
漁師さんの間では、夏の夜に「カシオペヤ座」が夜明け前に高く上るので、「錨星が
高く上がってくる、夜明けが近い。」と言っていたそうです。
北極星の周囲を回る星で、時計がわりに使用していたと言います。この様に、時間を
知るために使われていた星を「周極星」といって、生活に密着していました。
「カシオペヤ座」は北斗七星が見えずらくなる秋から冬にかけて
北極星を見つける大切な星座となります。
北極星の見つけ方
❶「W」に見た時の右側の
「β(ベータ)星」上側と「α(アルファ)星」下側、
その2点を結ぶ線を下側のα星の方へ延長します。
❷「W」に見た時の左側の
「ε(イプシロン)星」上側と「δ(デルタ)星」下側、
その2点を結ぶ線を下側のδ星の方へ延長します。
❸ 上記1と2の延長した交点と、「W」の真中にある
「γ(ガンマ)星」とを結んで、その長さの5倍を
γ星の方へ伸ばしたところが北極星の位置になります。
現在はこぐま座のα星「ポラリス」が北極星として使われていますが、
北極星というのは、天の北極であり、星の名前ではありません。
その位置に一番近い星が目印になるのです。
大切な役目です。
カシオペヤ座の神話
カシオペヤ座の神話はこちらのページをご覧ください。
カシオペヤ座にあるこのほかの天体
「カシオペヤ座」にはこの他にも、特徴のある天体があり、まとめた
ページがあるので、そちらも合わせてご覧ください。
カシオペヤ座の和名
カシオペヤ座の和名については、こちらのページをご覧ください。
ずれて行く北極点
なぜそんなことになるか、というと、
地球の自転軸の差異運動による自転している物体の回転軸が
円を描いて振れる現象を言いますが、
この差異運動によって、春分点と秋分点が黄道に沿って、
西向きに移動していきます。
この春分点の移動によって天の北極や赤道が動く事になるのです。
そのため、近い星を仮の目印としているわけです。
と言っても、この移動はかなりの時間をかけての移動になります。
周期はおよそ2万5800年です。
(C)国立天文台
1 | こと座α星ベガ | 紀元前11500頃 |
2 | りゅう座α星トウバン | 紀元前2790年頃 |
3 | こぐま座α星ポラリス | 紀元前1100年頃〜現在〜西暦2100年頃、最も天の北極に近づきます。 |
4 | ケフェウス座γ星エライ | 西暦4100年頃 |
5 | ケフェウス座β星アルフィルク | 西暦6000年頃 |
6 | ケフェウス座α星アルデラミン | 西暦7800年頃 |
7 | はくちょう座α星デネブ | 西暦10200年頃 |
8 | はくちょう座δ星 | 西暦11600年頃 |
1 | こと座α星ベガ | 西暦13000年頃 |
ほぼ同じ行程を繰り返します。ただし、恒星固有運動のためにずれはあります。
北極星の記事の参考サイト
この他の秋の星座
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秋以外の星座はこちらから探せます。
基本情報
基本情報
学名 | Cassiopeia(略号Cas) |
中央位置 | 赤経:1h16m 赤緯+62° |
概略範囲 | 東3h36m,西22h56m,北+78°,南+46° |
20時南中 | 12月2日(高度63°) |
面積 | 598.41平方度(順位25) |
肉眼星数 | 51個(5.5等) |
設定者 | プトレマイオス |
主な天体 | α星:シェダル 2.2等星
β星:カフ 2.3等星 η星:重星、3.6~7.4等星 SU:変光星、5.7~6.2等星、1.949319日周期 NGC281:散光星雲、7.4等星 NGC7635:散光星雲、11.0等星 IC1805;散光星雲、6.5等星 IC1848:散光星雲、6.5等星 |
見どころ | 散開星団M52=ケフェウス座との境界近くにある星数120個の散開星団。α星からβ星を結び、そのまま同じ長さを延ばしたところに位置しています。光度は6.9等なので双眼鏡で星雲状に見えます、口径6cmの40倍になると淡い光芒の中に幾つかの星が集まっているのがわかります。
散開星団M103=δ星の近くにある7.4等の散開星団で、60個の星が集まっています。口径8cmクラスで楽しめます。 |
まとめ
カシオペヤ座は秋には北の空高くに見つけられます。
形はアルファベットの「W」の形をしており、探しやすいです。
またカシオペヤ座は北斗七星と並んで北極星を探すための
貴重な目印となる星座です。
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