(C)国立天文台
🌟2019年6月の星空を紹介します。
天体現象を参考に観察してみてください。
5月の星空
5月の星空の復習にはこちらをご覧ください。
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6月の惑星の動き
等級 | 星座 | ||
水星 | -1.1~0.9等 | おうし座→ふたご座→かに座 | 5月下旬からの太陽の後を追いかける時が続くので、夕方での観測が適しています。24日には東方最大離角を迎えます。この前後が中でも見やすい時期です。 |
金星 | -3.8~-3.9等 | おひつじ座→おうし座 | 上旬は夜明け前の時間帯で明けの明星として楽しめますが、次第に太陽に近付いてゆくので、だんだんと低空にもなり、見えにくい状態になってゆきます。 |
火星 | 1.8~1.8等 | ふたご座→かに座 | 7時頃に東から昇ってきます。確認できるのは夕方の時間帯から、南西の空で見えます。夕方が明るくなる季節なので、観測できる時間も少なくなってきます。およそ20時ごろ西へ沈みます。中旬には水星と接近する姿が観測できるでしょう。 |
木星 | -2.4~-2.4等 | へびつかい座 | 19時前後頃に夏の星座が南東に顔を出すと同じく、夏の星座「へびつかい座」にある木星も昇り始めます。西に沈むのが夜が明け前です。その間は観測好機となります。 |
土星 | 0.3~0.1等 | いて座 | 20時前後頃に東の空から昇り始めます。木星の後を追う感じで観測できます。太陽が昇って5~6時頃西へ沈んでゆきます。 |
天王星 | 5.9~5.8等 | おひつじ座 | 明け方の東の空から昇り始めます。下旬になるほど太陽と差が開いてゆくので、次第に観測しやすくなります。 |
海王星 | 7.9~7.9等 | みずがめ座 | 日付が変わる頃に東の空から昇り始めます。太陽の前を移動しているので、午前中に西へ沈んでゆきます。観測は夜明け前までの時間となります。 |
通常では、天王星と海王星は肉眼では見えません。双眼鏡などお使いください。 |
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月と金星が接近
🌟6月初めの月の共演は、2日の夜明け前の明けの明星です。
明けの明星という名前に相応しい、美しい輝きの金星が、見えるか見えないか、
というくらい細い月とのコラボレーションは、初夏から梅雨を迎える朝に、
爽やかさのバトンを渡しているようです。
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月と火星が接近
🌟6月5日の月は新月を通り越して、今から育ってくる月です。
日没後の西の空に名残惜しげにある火星と、低い位置にギリギリ見えるか見えないかの
水星があります。
先月「おうし座」にあった火星も、今月は「ふたご座」へやってきました。
惑星が星座を移ってゆく姿を観察できる機会を逃さないでください。
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プレセべ星団と月が接近
(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟6月7日の日没後の西の空では、月がゆっくりと、確実に育っています。
6日は「ふたご座」で火星と接近していた月が、7日には隣の「かに座」へ、移動して
います。
月も星座の移り変わりが楽し観察できます。
7日の移動は地味ですが、「かに座」にある「プレセべ星団」の近くにあるので、
マニアには嬉しい接近です。
この機会に黄道に注目するのも、星空に興味が持てる、いいチャンスかもしれない
ですね。
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木星がへびつかい座で衝
(C)国立天文台
木星は肉眼で見える惑星です。望遠鏡で覗くと、精度にもよりますが、縞模様が
見えたり、ガリレオ衛星も確認できたりします。
望遠鏡をお持ちでない方でも、見頃の時期には、最寄りの博物館や天文台では観測会が
行われる事が多いので、ぜひ参加して、ご自身で観望してみてください。
(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟6月11日に、木星が「へびつかい座」で、地球から見て、太陽と反対側にある衝と
なるのです。
「へびつかい座」は黄道12星座には数えられないことが多いのですが、「いて座」と
「さそり座」の間にある、「へびつかい座」の足になる少しの範囲が、黄道を通って
います。
一時、13星座で「へびつかい座」を入れる占いが注目された時がありましたが、
このように少しの間、黄道があることに注目した結果、取り入れらた占いです。
2019年の木星は年末の12月くらいまで、「へびつかい座」で惑星らしい動きを見せて
くれます。この場合は占いではなく、領域として覚えておいください。
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衝の時の位置関係図
(C)国立天文台
衝とは、太陽系の惑星が地球からみて、太陽と真反対側になる瞬間のことです。
衝の時には図のように地球に近い位置にやってきます。そのため大きく見えたり、
観測しやすくなります。
また、太陽が沈む頃昇って、太陽が昇る頃沈むので、一晩中観測できるます。
月と木星が接近
(C)国立天文台
(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟6月15日~18日くらいまで、月の動きが、木星、土星と間をとりもつような、動きを
見せてくれます。月が大きさを変えてゆく姿も楽しめますが、月の明るさに負けない
すぐ下の「さそり座」のアンタレスの明るさにも注目したいところです。
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水星と火星が接近
(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟6月19日の日没後の西の空では、火星と水星の接近した姿が見られます。
ですが、低い位置での出会いなので、よく見える場所を、探すのが大変かも知れない
ですね。
目印は「ふたご座」の1等星と2等星のポルックスとカストルの兄弟星でしょうか、
ただ、日没後の明るさが残る時間では少し頑張って探さないと、いけないかも知れない
です。
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水星が東方最大離角
(C)国立天文台
🌟6月24日の日没後の西の空で水星が東方最大離角を迎えます。
この時、すぐ近くにある火星と水星の、ここ数日間の変化を是非、楽しんでほしい
です。
14日くらいから水星と火星をチェックしておいて、二つの星の動きを見ていってく
ださい。その時、「ふたご座」の兄弟星を合わせてチャックしておきましょう。
17日にはかなり接近します。18日で、さらに密着します。19日には水星と火星が
入れ替わります。
その間、ふたご座の兄弟星はゆっくりと沈んで行きます。
このなんとも言えない光景が、夕闇のメイクドラマですね。
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6月の天文カレンダー
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7月の星空
7月の星空の予習にはこちらをご覧ください。
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2019年度版星空年間(2018/11/30発売)
2019年の星空の関連記事はこちらを参考に書かれています。
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とても詳しくて、オススメです。ただ文字が小さいので、ルーペが入ります。(^^; |
まとめ
2019年6月の星空の代表的な天体現象を紹介しました。
大きな天体ショーはないですが、月の動きや、惑星の動きが面白い時期です。
じっくりと楽しんで見てください。
良い観望でありますように。。。
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