🌟あなたのおうちから、夜空を見上げて、星はいくつ見えますか?
方角や窓からだと視界の狭さもあるので、数えられるかも程度しれませんね。
では、いわゆる旅先や、星のよく見える場所で「満天の星」と言われる
ところから見る星はどのくらいでしょうか。
肉眼では銀河系全体の2500万分の1の星しか見えない。
一般的に人間が肉眼で見える星の限界を、6等星とした時に、星空全体で6等星
よりも明るい星は約8500個見えます。銀河系の星の数は2000億個なので、銀河系
の2500万分の1しか見えないということになります。
では、この地球から見える6等星より明るい星は、銀河のどの辺に、あるか
というと、明るい星は天の川に沿って、扁平な形に分布しています。これは、銀河
系円盤に垂直な方向よりも、水平な方向に星がたくさん存在するためです。
また、銀河系では中心に近いほど星がたくさん存在しているからです。
この領域は私たちの地球から数百〜千光年程度の範囲で、直径10万光年とされる
銀河系全体からするとほんの一部にすぎません。
1等星の半数は地球から100光年未満の領域にあります。
では、よく見えている1等星はどのあたりにあるのでしょうか。
全天88星座ある星座の中で、1等星は21個あります。これは地球から見える明るさ
の等級で表す方式なので、遠近の関係ではありません。
1等星より明るい星の約半数の11個は100光年未満の近距離にあります。100光年
以上の遠い星の場合は、巨星や超巨星といった、その天体自体が非常に明るい星で
ないと、地球から1等星として見ることはできません。
逆に、おうし座のアルデバランは絶対光度が小さく暗いのですが、近距離にある
ので、1等星となっている場合もあります。
1等星を距離の近い順に並べてみました。
1 | ケンタウルス座 | リギル | 4.3光年 | -0.01等星 |
2 | おおいぬ座 | シリウス | 6.8光年 | -1.4等星 |
3 | こいぬ座 | プロキオン | 11.5光年 | 0.4等星 |
4 | わし座 | アルタイル | 17光年 | 0.8等星 |
5 | こと座 | ベガ | 25光年 | 0等星 |
6 | みなみのうお座 | フォーマルハウト | 25光年 | 1.2等星 |
7 | ふたご座 | ポルックス | 34光年 | 1.1等星 |
8 | うしかい座 | アークトゥルス | 37光年 | 0等星 |
9 | ぎょしゃ座 | カペラ | 43光年 | 1.3等星 |
10 | おうし座 | アルデバラン | 67光年 | 0.8等星 |
11 | しし座 | レグルス | 79光年 | 1.3等星 |
12 | エリダヌス座 | アケルナル | 約140光年 | 0.5等星 |
13 | おとめ座 | スピカ | 約250光年 | 1.0等星 |
14 | みなみじゅうじ座 | ベクルックス | 約279光年 | 1.3等星 |
15 | りゅうこつ座 | カノープス | 約309光年 | -0.7等星 |
16 | みなみじゅうじ座 | アクルックス | 約324光年 | 1.3等星 |
17 | ケンタウルス座 | ハダル | 約392光年 | 0.6等星 |
18 | オリオン座 | ベテルギウス | 約497光年 | 0.4等星 |
19 | さそり座 | アンタレス | 約553光年 | 1.0等星 |
20 | オリオン座 | リゲル | 約863光年 | 0.1等星 |
21 | はくちょう座 | デネブ | 約1424光年 | 1.3等星 |
※距離は地球からの距離です。
星座の星や星団の多くは銀河系の腕の中に存在します。
地球から見た星雲・星団は銀河方面に沿って分布しています。それらの距離を測る
ことで、天体が円盤状に分布する、銀河系の構造が徐々に見えてきました。
銀河系は巨大な円盤構造をしていて、内側にいる私たちからは、天の川として見る
ことができています。銀河系は星の集まりで、円盤構造には渦を巻き、渦の明るい
ところに若い星が多く集まり、暗いところでは少ないことがわかっています。
この渦の明るい星が集まっているところは渦のパターンになっていて、「渦巻き
腕」と呼ばれています。銀河系内にある、2000億個もの星は、ある程度、整然と
分布しています。
ですが、それは完全な、均衡状態ではありません。星が少し近づくと、重力が発生
し、さらに新たな星を引きずりこみます。こうして星の密度の、高い部分ができま
す。これが密度波となり、渦巻き腕の、元となると考えられています。
ということは銀河系の渦は「腕」と呼んでいますが、「波」であって、星もガスも
この渦を通過してゆくのです。
ちなみに太陽系は「オリオン座腕」にあります。
銀河円盤には、光も通さない暗黒星雲が充満しています。腕の構造は内側は特に、
明るく見えますが、ここは暗黒星雲が圧縮されて、新たな星が誕生している場所で
もあります。
太陽もかつては、腕の構造の中で、生まれたと考えられています。太陽系はいま、
「オリオン座腕」という腕の、銀河系中心方向の端に、位置していることが、わか
っています。
銀河系は腕の渦巻き構造を保ちながら、太陽系付近では、2億年に1周のペース
で、回転運動をしています。この速度は秒速220kmに及びます。もちろん太陽も
この回転にのって、銀河系内を周回しています。
銀河系の回転が、銀河北極側から見ると、時計回りに回転しています。ですが、
太陽に対する地球の公転は、黄道の北極(公転軸)方向から見ると、反時計回りです
が、二つが矛盾しているわけではありません。
太陽系の黄道の北極と、銀河北極は示す方向が違います。またそのスケールも大き
く異なります。地球を含めた太陽系の回転は、巨大な銀河の中で生じた無数のラン
ダムな運動の一部ということなのです。
まとめ
🌟肉眼で見える星は、銀河のどの辺にあるのか?についてまとめてみました。
星座や星雲・星団の多くは、銀河系の腕構造の中に、存在していて、1等星の半数
は地球から、100光年未満の領域にあります。さらに肉眼で見える星は、銀河系の
2500万分の1しか見えていません。
よく星の見える場所へ出かけて、満天の星空を見ても、銀河系全体からすると、
まだまだということなのですね。
良い観望でありますように。。。
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