(C)国立天文台
🌟2019年11月の星空を紹介します。
天体現象を参考に観察してみてください。
10月の星空
10月の星空の復習にはこちらをご覧ください。
11月の惑星の動き
等級 | 星座 | ||
水星 | 0.5~-0.6等 | てんびん座 | 月初は夕方の西の空で確認できます。12日には内合となり、大西洋方面では太陽面の通過が見られます。そこから28日の西方最大離角に向かって太陽から離れてゆきます。28日前後で、明け方の東の空で、比較的高い位置で確認でき、観察好機です。 |
金星 | -3.8~-3.9等 | さそり座→へびつかい座→いて座 | 太陽の後を追うように動いています。夕方の西の空で、宵の明星として観測できます。低空ではありますが、月の後半になるにつれ、太陽の明るさが気にならない位置での観測ができるでしょう。24日には木星との接近が見られます。 |
火星 | 1.8~1.7等 | おとめ座 | 5時ごろ東の空から昇り始めます。上旬はおとめ座のスピカとの接近が見られます。11日頃は二つ並んだように見えるので、必見です。この時期は太陽の前を移動中なので、夜が明けるまでしか見えるチャンスはありません。 |
木星 | -1.8~-1.7等 | へびつかい座→いて座 | 午前中に東の空から昇り始めます。太陽の後を追うように南西まで動いています。18時前後に沈んでゆきます。夕方の薄闇の時間帯が観測好機ですが、だんだん観測できる時間が短くなって来ています。24日には低い位置ですが、金星との接近が見られます。 |
土星 | 0.6~0.6等 | いて座 | 木星の後を追いかけるように、動くので一緒に楽しめます。正午頃、南東の空から昇り始め、南西に沈むのは、18~20時前後で、夕方からそれまで観測好機です。月末には細い月と土星、金星、木星が並んだ姿が見られます。 |
天王星 | 5.7~5.7等 | おひつじ座 | 10月28日に衝を迎えたばかりで、観測好機が続いています。夕方になる頃、東の空から昇り始め、南西に沈むのは、3~5時前後で、夕方からそれまで観測好機です。 |
海王星 | 7.8~7.9等 | みずがめ座 | 28日に留となり、逆行から順行へ転じます。東の空から昇り始めるのは午後からで、深夜には西の空へ移って行きます。23~0時前後に沈むまで観測できます。 |
通常では、天王星と海王星は肉眼では見えません。双眼鏡などお使いください。 |
月と土星が接近
🌟11月2日の日没後の南西の空で、月齢5の月と土星が接近します。ここしばらくは
「いて座」に滞在中の土星ですが、今季見納めの時期が近づいてきました。
環の角度も良好なので、観察して見てください。
おうし座流星群が極大
(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟11月に注目したい流星群が「おうし座流星群」です。
活動期は10月15日頃から始まっています。その期間は11月30日まで続きます。
その中でも極大日を狙って観測してください。極大日は2回あります。というのも、
おうし座流星群は放射点が2つ南北にあり、名前も「おうし座南流星群」と
「おうし座北流星群」と分けて解説されるほどです。
まず先に極大日を迎えるのが、おうし座南流星群で、11月6日頃です。
おうし座北流星群の極大日は11月13日頃です。1週間ほどの差なので、天気の具合で、
片方だけでも見られたらラッキーでしょう。
おうし座流星群は流星の数はそれ程多い流星群ではありませんが、流星が明るくなる
「火球」と呼ばれる流れ星に見える可能性が高い流星群です。
ただ、今年は6日の方が月の影響を受けにくいでしょう。6日も早い時間はまだ月が
あるので、沈んでからが好機です。13日の方はおうし座に月が居座っているので、
反対側に流れる流星を狙うなどの工夫が必要かと思います。
くじら座Ο星ミラが極大
(C)国立天文台
🌟11月7日に「くじら座」の変光星Ο星ミラが極大を迎えます。
ミラ型変光星と名前が使われるくらい、代表的な変光星として、有名な恒星です。
ミラ型は赤色巨星へと進化した恒星全体が、膨張と収縮を繰り返して、その結果変光
して見える「脈動型変光星」に分類されます。
その中でも、100日以上の長期周期で、数等級の変更をするものを、「ミラ型変光星」
と呼んでいます。
ミラの周期は332日で、その間に2等星〜10等星くらいまで明るさを変えています。
秋の星座の「くじら座」が出ている時に、明るくなっていたらミラを見つけるのは
簡単ですが、暗い時期にはまず見えません。
機会があれば2等星に近い時にミラを探してみましょう。
火星とスピカが接近
🌟11月11日の夜明け前の東の空では、秋ですが、春の星座が早朝に見られます。
オススメは、数日前から早起きしないといけませんが、少し前から近づいてくる様子
を観測するのが面白いでしょう。
数日観測すると、月も共演したりと朝の楽しみが増えますよ。
水星の太陽面通過
🌟残念ながら、日本では見られませんが、太陽の前を水星が通過します。
ヨーロッパ南西部、アジア南西諸国、アフリカ、北米、南米などで、この現象は
見られます。
日本で見られるのは、2032年11月13日です、この時は現象の一部が見られます。
ちょっと先ですね。。。
ベスタがくじら座で衝
(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟11月14日には「くじら座」で小惑星ベスタが、地球から見て、太陽の反対側にある
衝を迎えます。「おうし座」にいるときには衝の時よりも明るさが7等台でした。
11月に入った頃が「おうし座」から「くじら座」へ移動していきますが、それにつれ
等級も6等台になってきています。
6等台でも肉眼では難しいですが、双眼鏡でなんと確認できるでしょう。
しし座流星群が極大
(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟11月18日に極大日を迎える「しし座流星群」は周期流星群です。周期的に流星の
活動が変化します。しし座流星群は33年周期で流星の数の多い少ないが変化します。
最近の大出現と言われるのは2001年でした、そこから18年しか経過していないので、
まだ少し落ち着いた活動期と言えますね。
大出現は望めないものの、火球のような明るい流星が出現する可能性がある、流星群
なので、注目してください。
ただ、今年は、極大日の夜は月齢21の月が出ているので、月明かりが気になるところ
です。
ブランペイン彗星がみずがめ座を通過
(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟2020年の初めに肉眼で見えるようになる、ブランペイン彗星が8月から12月まで
「みずがめ座」に滞在しています。
11月20日には「みずがめ座」にある惑星状星雲のNGC7293に接近して通過してゆき
ます。
この「NGC7293」はらせん星雲という名前の惑星状星雲で、惑星状星雲の中でも
比較的ファンの多い星雲です。
その理由は色々あるのですが、一つは地球に最も近い惑星状星雲ということでしょう。
または、惑星状星雲の中では大きさが最大クラスで、名前の由来にもなった、螺旋構造
をしたガスで覆われている点などが挙げられます。
さらには、画像を見た方はその美しさに、忘れられないような印象を、持つ方が多い
ようです。
ちなみに、私はちょっと目のようで怖いです。。。
金星と木星が接近
🌟11月24日の日没後の南西の空では、低い位置ではありますが、宵の明星こと、
その少し左上にある「土星」を目印に探すと見つけやすいでしょう。
(C)国立天文台
月と木星が接近
11月28日の日没後の南西の空になると、「金星」と「木星」が少し離れながらも、
近くにはあって、今度は月が木星の下側に見え隠れしそうな感じで出ています。
低い位置まで見える場所でないと見るのはちょっと難しそうです。
こちらも「土星」が目印になるでしょう。
水星が西方最大離角
(C)国立天文台
🌟11月28日の夜明け前の東の空では、水星が太陽から離れる距離が遠い、西方最大離
角を迎えます。
この時は、水星の少し上には火星があり、その少し上には「おとめ座」のスピカが
あって、ちょうど等間隔に並んでいる姿がとても美しい光景です。
早起きの得にしてみませんか。
月と金星が並ぶ
🌟11月29日の日没後の南西の空では、土星と月と金星と木星が並んでいる姿を
見ることができます。
この時の月齢は2.5と細い月なので、とても幻想的で美しい並びです。
ぜひみてください。
11月の天文カレンダー
12月の星空
12月の星空の予習にはこちらをご覧ください。
2020年度版星空年鑑(2019/11/30発売予定)
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天体観測手帳2020年版
コンパクトながら情報量が半端ない!!
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まとめ
2019年11月の星空の代表的な天体現象を紹介しました。
おうし座流星群やしし座流星群といった天体ショーに注目が集まりますが、
惑星の並び方が美しい姿で見られるものもあるので、チェックして見てください。
良い観望でありますように。。。
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