(C)国立天文台
🌟2019年12月の星空を紹介します。
天体現象を参考に観察してみてください。
11月の星空
11月の星空の復習にはこちらをご覧ください。
12月の惑星の動き
等級 | 星座 | ||
水星 | -0.6~-0.9等 | てんびん座→さそり座→へびつかい座→いて座 | 11月28日の西方最大離角になったばかりの頃が、比較的高い位置で確認でき、観察好機です。月末になるにしたがって、太陽に近づいてゆくので、ギリギリ中旬頃まで夜明け前の東の空で観測できます。 |
金星 | -3.9~-4.0等 | いて座→やぎ座→ | 太陽の後を追うように動いています。夕方の西の空で、宵の明星として観測できます。月初より下旬になる方が、太陽の明るさが気にならない位置での観測ができるでしょう。12日前後には土星との接近が見られます。 |
火星 | 1.7~1.6等 | てんびん座 | 5時ごろ東の空から昇り始めます。この時期は太陽の前を移動中なので、夜が明けるまでしか見えるチャンスはありません。 |
木星 | -1.7~-1.7等 | いて座 | 28日に合となるので、太陽に段々と近づいてゆきます。午前中に東の空から昇り始め、太陽の後を追うように南西まで動いています。16時前後に沈んでゆきます。夕方の薄闇の時間帯が観測好機ですが、だんだん観測できる時間が短くなって来ています。 |
土星 | 0.6~0.5等 | いて座 | 太陽に着いて行くように移動中で、1月14日には合となるので、段々と太陽に近くなって、観測には適さなくなってきます。午前中、南東の空から昇り始め、南西に沈むのは、16~18時前後で、夕方からそれまで観測できます。 |
天王星 | 5.7~5.7等 | おひつじ座 | 13~15時前後頃、東の空から昇り始め、南西に沈むのは、1~3時前後で、夕方からそれまで観測好機です。 |
海王星 | 7.9~7.9等 | みずがめ座 | 東の空から昇り始めるのは正午前後からで、深夜には西の空へ移って行きます。2123時前後に沈むまで観測できます。 |
通常では、天王星と海王星は肉眼では見えません。双眼鏡などお使いください。 |
今年最後の月面エックス
🌟12月4日の16時50分が出現中心時間となっています。
薄明るい状態の観測になってしまいます。
今年最後の出現です。是非観察に挑戦してください。
月のクレーターの影がつくる形で、文字が浮かび上がるのは約1時間程です。
変化を楽しむならピークを中心に3時間〜4時間程度観察をすると、
楽しいでしょうね。
ちなみに、愛媛県松山市の愛好家の方が、月面にエックスだけではなく、「LOVE」が
見える画像を発表しています。
「O」クレーターで、「E」は逆向きなんですが、NASAのHPに掲載されたようです。
あなたも月面チャレンジしてみませんか?
金星と土星が接近
(C)国立天文台
🌟12月11日の日没後の南西の空では、金星と土星が接近しています。
11月にはギリギリ見えていた木星が見えなくなってしまいました。
土星がゆっくり沈んでゆく間に、見納めしておきましょう。
ふたご座流星群が極大
(C)アストロアーツ/星空年鑑
(C)国立天文台
🌟12月14日の21時ごろから日付が変わって2時ごろに極大を迎える「ふたご座流星群
」は三大流星群の一つに挙げられ、多くの流星が期待できる流星群です。
冬の星座のふたご座に放射点があり、比較的早い時間から観測できる流星群なので、
家族で楽しめます。ただ、今年は月齢18の月がふたご座に同行しているので、
明るさに負けてない流星を頑張って見て欲しいところです。
流星群は、必ずしも放射点を見るわけではありません。ふたご座から少し離れた方向
でも、流星は確認できます。ただ、放射点が高い位置に来る時間帯が、流れやすいと
されています。
目に月の明かりが入らないような形で、観測できるようにして見ましょう。
好条件の時は1時間に40個と言われていますが、通常で、目を10〜15分暗がりで慣ら
した後の、5~10分の間に3~5個程度は見えるでしょう。
こぐま座流星群
(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟12月23日の夜から24日にかけて、見頃となります。極大するのは昼間の12時ごろ
と予想されています。ですが、夜でも流れます。
こぐま座は北極星のある星座で、北の空でみるけることのできる星座です。流星群も
ほぼ、一晩中観測できますが、もともと活動が大きな流星群ではないので、出現数は
あまり期待しないほうがいいかもしれません。
ただ、月明かりを気にしなくてもいい時期なので、流星群の観測条件としては、好条件
と言えます。
月と火星が接近
🌟12月23日の夜明け前の東の空では、てんびん座で、月齢27の月と火星が接近して
います。
この日は「こぐま座流星群」の極大日でもあるので、眺めていたら、流れ星も見えちゃ
ったなんてこともあるかもです。
お願い事はいつでも言える用意をしておきましょう。
部分日食
(C)アストロアーツ/星空年鑑
(C)国立天文台
🌟今年2回目の部分日食です。
12月26日の夕方の時間帯です。始まりはだいたい早いところで、14時過ぎから始まり
ます。そこから約2時間前後の部分日食です。年末の押し迫った時期の木曜日で、もし
かしたら、会社の大掃除の日や、事納めの日というところもあるかもしれないです。
忙しさで時間を忘れるかもしれませんが、日本で見られるのはあまりないので、
メモでもして、覚えておいてください。
参考までに、日本では部分日食ですが、インドネシア、シンガポール、グアムなどでは
金環日食となります。
ブランペイン彗星
(C)アストロアーツ/星空年鑑
🌟12月下旬に4等台になってきたブランペイン彗星です。2020年の1月に最接近する
ので、12月から追っかけるのも楽しみかたの一つです。
12月には後半にふたご座流星群とこぐま座流星群があって、空を見上る機会が2回も
あります。流星群の時を利用して、彗星を探すのはとても有意義でしょう。
月と金星が接近
(C)国立天文台
🌟今年最後の接近は12月29日の日没後の、南西の空での月と金星です。
月は月齢3という細い月です。この接近で南極方面では、金星食が見られるほどの
遭遇です。
低い位置なので、見える場所を探して観測してください。また、左隣に1等星が見つか
ります。それは秋の星座で唯一の1等星の「みなみのうお座」のフォーマルハウト
です。その逆側の北西には「わし座」のアルタイルと「こと座」のベガ、「はくちょう
座」のデネブもギリギリ見えるでしょう。
月と金星の出会いは秋の星座の「やぎ座」での出来事です。
12月でも夏や秋の星座が、西側で名残惜しそうにしている姿が見られます。
12月の天文カレンダー
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天体観測手帳2020年版
コンパクトながら情報量が半端ない!!
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まとめ
2019年12月の星空の代表的な天体現象を紹介しました。
通年なら、ふたご座流星群やこぐま座流星群といった天体ショーが注目株ですが、
今年はさらに部分日食があるので、こちらも注目して欲しいです。
良い観望でありますように。。。
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